カリヨンハウス


沖縄で瞬間最大風速70mと予測された強烈な台風15号の影響のためか、雲が多く生ぬるい風の吹く天気だ。


今、三好丘では駅前のカリヨンハウスの利活用についての話題で住民の間がかまびすしい。カリヨンハウスは、当時の住宅公団が開発した「アートヒル三好ヶ丘」のまちづくりコンセプトである『ゆったりとした独自のライフスタイルを持つ街』のシンボルとして昭和63年にオープンした。1階が公共広場を含め約1400平米で食品スーパー、郵便局、銀行ATM、クリーニグ取次店があった。2階は約900平米のレストラン。


都市再生機構より平成22年度末を目途に廃止の方針が示され、市では、個性豊かな文化的建築物であるカリヨンハウスを地域のシンボル、まちの顔として残し、三好ケ丘駅前のにぎわい創出を図る拠点とするために平成24年6月に市が取得した。現在はすべて空きやになっている。そして、具体的な利活用方法について地域住民の代表を入れたカリヨンハウス利活用検討委員会で協議、意見交換を行い、駅前で足を止めてもらえる施設、訪れてもらえる施設で賑わいづくりの拠点として整備して行くという。


そもそも、「カリヨン」とは? ネット検索。他の建築物と一体化されていない単独の鐘楼建築物に演奏用の鐘を設置したもののうち、鍵盤で演奏する楽器をさす。チャイムやベルと区別される。野外演奏楽器とされ、日本語では“組み鐘”と訳される。 日本にはハウステンボス、JR伊丹駅前など4ケ所あるだけ。鍵盤を有しない自動演奏のカリヨンが多い。三好丘駅前も自動演奏だ。


前置きが長くなったが、市当局のこの話の進め方はあまりにも無責任なやり方ではないだろうか?3億円で買ってやったからみんなで駅前が賑わうことを考えてくれ。といわんばかりだ。失敗した時のアリバイつくりに地元民の意見を取り入れたとするやり方が透けて見える。グランドデザインができた段階で住民の意見を聞くのが普通ではないだろうか?


65歳以上の人口が総人口に占める割合が現在23%、2025年には30%、60年には40%になるという。シニア世代が満足するサービスや生活環境を整えることは、健康維持や雇用創出ひいては賑わいの創出にもなるだろう。ほんの一例だがファミリーマートは来年度からの新店には飲食コーナーを設け、高齢者らに集いの場を提供するという。


「シニアが暮らしやすい」をコンセプトにしたとする、素人がいくら大勢集まっても出てくる答えはしれたものだ。そこは、餅は餅屋にまかせた方がいい。デベロッパーが情報やノウハウをいくらでももっている。その中からグランドデザインが出来て、それをたたき台に地域住民で協議するのがスマートなやり方ではないだろうか。