七草粥


これが寒の内かと思えるような風のない穏やかな冬晴れになった。北陸流にいえば”旨い日”になった。正月気分も抜けて普段通りの日常に戻った。グラウンドゴルフも穏やかな天気のもとで、きょうが新年のスタート。


丘陵地のブルーベーリー園の一角に、およそ寒の内とは不釣り合いの景色が見える。樹高3mほどの木が1本。なっている果実を見るとヤマモモのようにみえる。花を見るとアセビのようにみえる。いずれにせよ、この季節にはミスマッチの光景だ。ヤマモモだったら、鳥にとってエサのないこの時期、食べつくされてもよさそうなものなのに不思議なことだ。



きょう7日は春の七草を入れた粥を食べて無病息災を祈る「七草粥」の日。子供の頃、正月2日に「とろろご飯」、7日に「七草粥」、15日に「あずき粥」を食べたことが思い出される。もちろん、最近ウチではそんな風流なことはまったくやってない。スーパーで七草粥の食材を売っているそうだ。たまには、こういうものもいいじゃないかな。古きよきしきたりと季節の行事は生活に潤いと節目を与え、日常に彩りを添えるものといえるだろう。



七草粥を食べていたころ、親父が眼鏡ケースくらいの大きさの金属ケースに棒状の懐炉灰を入れて燃やし、それを懐に入れて体を温めていたことをなぜか思い出した。「懐炉」だ。昔はなんでも懐に入れていた。懐中電灯、懐中時計。まさか、電話まで懐に入れることはなく「懐中電話」となるのは免れて携帯電話となったのだろう。