寝台特急


きのうに引き続い安定した穏やかな天気だ。毎年この時期になると垣根の山茶花の花びらが歩道に落ちて掃くのに大変だが、今年はどういうわけか花の咲き具合がよくない。花壇のノースポールもよくない。ウィンタークレマチスだけは、冬の凛とした寒さの中で清楚な白い下向きの花を咲かせている。恥ずかしげに下向きに咲くさまはクリスマスローズに似ている。


大阪赴任時代、昼の11時半ごろ大阪駅11番ホームで発車を待つ札幌行きの寝台特急ツワイライトエクスプレスを眺めるたびに「リタイヤーしたら一度はこの列車に乗ってみるぞ」といまだに叶わぬ夢を思い描いていたものだ。なにせ、列車の感動とホテルの快適を乗せた1,500km、22時間のドラマなのだ。プラチナもプラチナ、この列車のスイートは日本一のプラチナチケットだ。



東京駅から出発する唯一の夜行寝台特急サンライズ出雲・瀬戸」が今20〜30代の女性の注目を集めているそうだ。寝台は全て暗証番号で開閉する個室。目指すは島根県にある「縁結びの神様」出雲大社や「美肌の湯」玉造温泉
 

この路線は飛行機との競争が激しく平均乗車率は6割強にとどまっていた。ところが、05年ごろから島根県が、首都圏の若い女性をターゲットに「縁結び」を前面に打ち出した観光プロモーションを始めると女性客が増加。木材を多用した車内とロック付き個室が「安心して乗れる」と評判になった。昨年12年の金曜の平均乗車率は99%だったという。


一度は体験してみたい旅情をそそる憧れの海外クルーズや寝台特急。今年は巳年、定番のパックツアーから脱皮して乗ってみたいものだ。おじさん、おばさんたちはヒマはあってもカネがない。とっておきの時には出費をいとわず、カネの使い方にメリハリをつける若い女性たちが羨ましい。