式年遷宮


氷点下の朝、青空が広がる。今年は山茶花の花が少なくメジロが庭にやってくるのがあまり目立たない。ところが、頂き物の柿の処分に困り、吊るし柿でなく皮をむいて単なる干し柿にすべくウッドデッキに干しておいたら、メジロヒヨドリがやって来るは、やって来るは。


そこで、90×60×60cm大の犬小屋のケージをかぶせ、畑用のネットをその上から覆った。一方で、リビングの向かいの庭にエサ場を作って、こちらの方へ鳥たちを誘導した。庭のギャング、ヒヨドリが我がもの顔でやって来るのでメジロやスズメはとりつくシマがない。メジロはウッドデッキの方でネットをかいくぐりご満悦の様子だ。



毎年1月の最終土曜に地域の人達が揃ってバスでお伊勢参りに行く。今年も26日に行く。今年は20年に一度の式年遷宮の年らしい。飛鳥時代から1300年続く決まり事らしい。この決まり事には神道の精神の伝統だけでなく、伝統の意味の裏側には建築や製品の技術を次の世代に伝えてゆく制度としての側面があるようだ。


20年の歳月がたてば、10代だった見習いの職人は30代の棟梁になる。30代の棟梁は50代の後見人になっている。習った技を若者に教え、育った人材を背中から見守る。大きな仕事に生涯で二度携われば、技術は綿々と引き継がれてゆくだろう。「ものづくり大国日本」が式年遷宮から何かを問いかけられているような気がする。