モダンタイムス


朝からどんよりとした寒空。冬枯れで殺風景な丘陵地の畑を囲うかのように常緑樹の低木が連なっている。その中でひときわ華やいだ雰囲気を醸し出しているのがクチナシの実だ。この時季に珍しくオレンジ色の実が鈴なりだ。11月の中旬以降に色づいて、いまだにその当時とあまり色が変わってない。ヒヨドリに食べられた形跡もない。


クチナシの実はきんとんや和菓子の着色料に使われ、街中に住んでいる友達から頼まれてカミさんが採ってくることがしばしばある。試しに、水彩絵の具のオレンジ色の代用品で使ってみたこともある。花が咲いてよし、香りがよし、実が無添加着色料でよし、カラオケで歌ってもよしのクチナシだ。



四つ池から冷たい北西の風が吹き上げてくる。どんよりとした空からは時折鈍い日が差し込む程度の典型的な冬の一日。こんな日にも1日1万歩のノルマは厳しい。昨年5月から老人クラブのメンバー50数人で「地球1周4万kmを歩こう」をはじめて毎日歩数を付けるようになった。11月には達成したが、自分は引き続きチェックしている。遊びの要素を取り入れることにより、厳しいことも楽しくなる。

                    

毎日のブログは昨年カキコ通算2千日になってからは、土日は休むようにしているが「ブログは毎日、ウォーキングは毎日1万歩」。パソコンと携帯電話の歩数計といったIT機器に振り回されている自分に対して戦前の映画チャプリンのモダンタイムスみたいだと冷やかす者がいたが、これには異議がある。


モダンタイムスは資本主義社会を生きる上で、人間は機械の一部分のように働かせられ尊厳が失われていることを笑いの中で風刺した映画である。自分は資本主義社会の中で生きてゆくために、毎日ブログを書かされ1万歩歩かされているのではない。自分のために自ら進んでやっているだけだ。”やらされる”のはつらいが”自らが進んでやる”のはつらいこともあるが、それが楽しいのだ。