木桶と重石


週末は雪が舞ったりして体が縮こまるような日が続いた。今が我慢のしどころ、来週の月曜2月4日は暦の上では「立春」だ。春の足音が近づいてきた。
                                                        

週末の2日で今年の正月行事が終わり、春を迎える準備ができたといったところだ。土曜日には地域の人達とバスを連ねて恒例のお伊勢参り。帰り道には鈴鹿の椿大社へもお参り。きのうの日曜は多治見のガキ仲間の仲良し倶楽部の恒例の新年会。今年は、西浦温泉まで足を伸ばしての持ち出し新年会。


2日続きのバス旅行。トイレ休憩するたびに、よくもまぁ非生産年齢者ばかりいるもんだ。と実感することしきり。これじゃ〜、日本丸が泥船になりかかっても、仕方あるまい。



何でこんなことが・・・と思うようなこともちょっとした説明ひとつで妙に感心することに時々出くわす。きのう西浦温泉に行く途中で岡崎の八丁味噌の工場を見学した。この工場は2度目だし、他の味噌蔵も見学したことがある。その都度、あまり説明に聞き入るというようなこともなかった。


きのうは案内者が上手に熱心に説明するので聞き入った。今は桶職人もいなくなってしまった。とはいえ、大きな仕込み桶の中に6tの味噌を仕込み、3tの石を山のように積み上げて二夏二冬寝かせるという。そんな桶が味噌蔵の中に30ほどある。 石を積み上げて重石にする技術は修業しないとできないそうだ。


桶をアルミとかステンレスにして、重石はコンクリートで作りクレーンで載せるように出来ないかと質問。理論的にはできるが、伝統の製法を守るという家訓に反する。温度管理を自然に任せて添加物を使うことなく熟成させる「天然醸造」には木桶と重石は必要不可欠。クレーンを使うとすると、蔵の天井を高くしなければならない。すると、酵素の活性に変化が出てくるからダメとのこと。


コンビニのインスタントみそ汁と引き換えに何か大事なものをこぼして歩いているようで、妙に感心どころか愚問を発した自分を恥じ入るばかりだ。