バレンタインチョコ


穏やかに晴れたバレンタインデー。グラウンドゴルフの休憩時間には年輪を重ねた手、チョコレート色の人生模様を手に染めた手からおじさんたちにバレンタインチョコレートが手渡される光景は微笑ましい。腰が曲がっても乙女心は失われずいじらしいこの姿。これぞ、健康で長生きの秘訣だろう。


「呼び交わす烏もバレンタインの日」渡辺千枝子 けさのラジオ深夜便きょうの一句だ。バレンタインデーが俳句の季語になるほどに生活の中に定着してしまったということだろう。若いころ、あっちのお店、こっちのお店でもらうチョコレートは後で高いつけがまわってくる危うさがあった。が、その分スパイスの効いたワクワク感があった。いま、グラウンドゴルフでもらうチョコレートは下心もなくなんとなく気の抜けたビールの感がする。ノンアルコールは安心・安全だ。


チョコレート会社の販売促進策「愛する人にチョコレートを贈りましょう」から始まったバレンタインチョコレートも半世紀以上経って様変わりしたようだ。夕方のニュースで今年のバレンタインチョコ事情をやっていた。「女性から男性へ」という傾向は薄れ、会社の同僚や上司に贈る「感謝チョコ」、友だち同士で交換する「友チョコ」や自分への「ご褒美チョコ」が増えているという。「感謝チョコ」は500〜1000円、自分自身への「ご褒美チョコ」には4〜5000円かける、なんていう人も増えているそうだ。


日記のカキコをしていたら、長女が会社からの帰宅途中に立ち寄った。バレンタインチョコを買い過ぎて余ったからあげる。と置いて行った。「おこぼれチョコ」か。これもノンアルコール。