春の紅葉


穏やかな日差しに恵まれた週末、家庭菜園は大勢の人で賑わった。乳飲み子を背中におんぶして作業する若い夫婦、黙々と耕す老夫婦。手より口の方が忙しいご婦人方。みなさん、夏野菜の準備に忙しそうだ。


土曜日のウォーキング。豊田市との境にある森のワイナリー(ワインの醸造所)に入って行く並木道の入り口を通る。いつも通る道だ。ワイナリーへ入って行く並木道の景色の様子がいつもとは違う。桜の花びらがハラハラと舞い落ちる。そんな中でモミジが紅葉しているのではないか。秋のモミジの紅葉と四季桜なら毎年見る光景。今は春。モミジが紅葉、桜がハラハラ舞い散る。一体これはどういうことだろう。



左の写真はおととし11月の同じ場所での写真。秋の紅葉は鮮やかな色だが、春は鮮やかさの欠けるチョコレート色に近い色だ。
ネットで調べてみると、春の紅葉はそんなに珍しいことでもなさそうだ。春の紅葉のメカニズムはこういうことらしい。        


春の花々が終わると次に芽を出すのは木々の番。木は草に較べると、水を木の梢にまで運ばなければならず、多くのエネルギーを使う。このため、木々の芽吹きは、より多くのエネルギーを確保できる温暖な季節になり、若葉は強い日差しをまともに受けなければならない。そしてそのことが春の紅葉を促すことになる。


秋にモミジが赤くなるのは植物が出すアントシアニンという物質によるものだそうだ。そして、このアントシアニンには紫外線から植物を守る性質もあり、芽吹いたばかりの新芽が紫外線から自分を守るため、このアントシアニンを出して結果として新芽が赤くなっているのだそうだ。


云いかえれば、春の紅葉は春の強い紫外線から組織の未熟な若葉を守っているのだ。色を染める物質はアントシアニン。この物質の出す色が紫外線を遮り、若葉を守っているのだ。色鮮やかな秋の紅葉と較べると春のそれは鮮やかさに欠ける。


春に紅葉、このトシになって初めて知った。