ワンフレーズの氾濫


週末に関東地方では梅雨明けしたようだ。この地方でも、週末の気温、湿度、雲の様、日差しの強さ、週間天気予報のお日様マークの並び具合を見たら、十分梅雨明けと思っていたら、案の定きょう8日東海から九州にかけて梅雨明けとなった。去年より15日も早い梅雨明けとか。


秋には見事な紅葉、冬には落葉して丸坊主、放射状の樹形がひときわ目立つ。春にはどんぐりがどっさり歩道に敷き詰められ、その上を歩くのが少々憚れる。そして、夏には青々とした葉っぱが茂り、立派な夏木立となって緑陰を形作っている。ウチの前の道路を挟んだ東側、家庭菜園の西端のある樹高ゆうに10mはあるケヤキの老木だ。春夏秋冬の姿にメリハリのきいたこのケヤキ、どう見たって堂々たる夏の姿だ。



先週から参院選が始まった。新聞でもテレビでも特集を組んだり、トレンド調査をしてその結果の詳報をしている。ネット選挙戦が解禁されたことも手伝ってのことだろうと思うが、”耳障りのよいワンフレーズ”が氾濫しているような気がしてならない。例えば「脱原発」か「再稼働」かとか「不戦」か「海外派兵」かなどのように。


テレビの各党からの代表者による討論会で司会者が上述の例えのような質問をして○×で答えさせたとする。票の欲しい党は理想論に重きを置いて「脱原発」「不戦」を支持するだろう。国内産業の海外流出を避けなければならない、原子力の技術は絶やしてならない。あるいは、グローバル化した現在国際貢献なくして世界から孤立するなどと”現実”問題に対応することに重きを置く党は「再稼働」「海外派兵」を支持するだろう。


脱原発」「不戦」を国民の前で否定する政党は非国民のレッテルを貼られるようなものだ。現実対応にウェイトを置く政党にとっては酷な質問の仕方だと思う。あまりにも単純化した質問の仕方は却って混乱を招きかねない。それならそれで、コメントを挟む余地を残しておいてほしいものだ。同様に、新聞も見出しだけで納得してしまう人たちも大勢いることも頭に入れて編集してほしいものだ。