原爆の日


夜中から昼ごろまでかなりまとまった雨だった。東海地方では局地的な大雨のところがあったようだ。丘陵地のあちこちに点在する栗林にもいいお湿りだったようで、「味覚の秋」に備えてスタンバイOKと云ったところだ。あすの立秋に向けてひそやかにしのびやかに移ろい行く季節の風景だ。


きょう8月6日は広島の原爆記念日。3年前の2010年8月5日の「クマさんの日記」にこんな記述がある。「3月にテニアンに行ったときの現地ガイドの発言が思い出される。この先、8月6日が来るたびにこのガイドの発言が思い出されるだろう。」やっぱり思い出した。


テニアン島サイパンから南へ5kmの島。広島長崎への原爆投下機の基地があった太平洋上の島だ。現地のツアーガイドが自家用車でジャングルの中まで案内してくれる。このツアーガイドは60歳前後の日本人男性。正確に言えば鹿児島生まれの米国籍。グリーンカードを取得して米国市民権を得たおじさん。


B−29が原爆を搭載したピットを見学したときこんなことを語った。広島と長崎の原爆により日本は本来ならもっと長引く戦争から早く解放された。そして、朝鮮のように分断国家にならなくてすんだ。と。彼は米国の市民権を持っているからと言って米国人ズラをして同胞に向かってそこまで言わなくてもいいものをと思いながら後味の悪いテニアンツアーだった。戦争さえなかったなら彼を憎悪することもなかった。彼を憎む前に戦争を憎むべきだ。


原爆の日を機会に脱原発を世論にアピールして行こうとしている人たちの動きが活発になっているようだ。核分裂の熱を利用した殺人兵器としての原爆と同様な熱を平和利用した発電を同じ土俵で論じることには違和感を覚える。きょうと9日は、何より原爆の犠牲者を哀悼する日でなければならない。