皇室の政治利用


週末は秋雨前線の停滞で連日ぐずついた天気にみまわれた。時折降る雨のおかげで庭や畑の水遣りからは解放された。土曜日が二十四節気の「白露」でいよいよ本格的な秋の風情がこの眼でも確かめられる時季となった。桜公園北側の遊歩道の銀杏並木に銀杏が鈴なりだ。家庭菜園脇の柿の木には色づいた早生の柿がここも鈴なりだ。いやが上にも秋の到来を感じるこの週末。


きのうの早朝、2020年五輪の東京開催決定に日本中が湧き上がり、一夜明けた今朝はそれを祝福するかのような秋晴れだ。グラウンドゴルフに興じる芝生のフィールドには心地よい爽やかな風の中、赤とんぼが舞い、ここにも秋の到来を感じる風情。



2020年五輪の東京開催決定にきょうの天気のように気分が晴れやかだ。半世紀前のセピア色の記憶、東京五輪がリニューアルして再び見られるということもあるが、それよりも先日の飲み会で総評論家となってワイワガヤガヤとやったことが現実なものになる土台が出来たことだ。
     

東京五輪開催が決定したならば・・・。1.消費税率上げはほぼ確実。 2.税率上げが明確になれば株高・円安というのが市場の流れ。 3.五輪はアベノミクスの強力な支援材料として、デフレ脱却を促す。》つまり、アベノミクスの第4の矢となるのだ。もし、東京が落選したら、日本はデフレ脱却ができるだろうか。考えるだけでも、ぞっとする。


ところで、東京勝利のカギはどこにあったかについてはマスコミで散々取り上げられているので、そちらの方にお任せ。それに関連した「皇室の政治利用」について考えさせられた。高円宮妃殿下がIOC総会で復興支援への謝意を述べられた。開催都市決定直前のスピーチとあって「皇室の政治利用」との批判が上がっていた。


確かに招致活動ではないとの言い訳は通用しないだろう。ただ、鳩山政権時代に中国の要求を受け入れ、天皇陛下習近平副主席(当時)とのルール破りの会見を実現させた例と、同列に論じるのはいかがなものか。しかも、この会見とほとんど時を同じくして民主党幹事長小沢一郎氏が150名近い国会議員をひきつれて訪中し議員一人ひとりが胡錦濤主席(当時)との握手と写真撮影を行っている。握手と写真撮影は中国側が難色を示していたが、小沢の強い希望により実現したといわれている。


こんなキナ臭い「皇室の政治利用」と同列に扱われてはIOCや震災復興に手を差しのべてくれた国々に対して大変失礼だと思う。