プロ野球当たり年


台風一過、抜けるよな青空、肌に心地よい爽やかな風、眼に痛いほどの強い日差し。きのうの嵐のことを思うとウソのような天気になった。日の出前のウォーキングに行き交う人たちには、さすが半袖半ズボンなんていう恰好の人はひとりもいない。


丘陵地の土手を旺盛な繁殖力で我が物顔に覆い尽くしている葛の片隅で高貴な色をイメージさせる紫の実をびっしりつけたムラサキシキブが顔を覗かせている。全体に小ぶりだから、おそらく「コムラサキ」だろう。


ネットで調べると、紫色の実をびっしりつけることから「紫敷き実(むらさきしきみ)」と呼ばれていたものが、いつのころからか紫式部を連想させて「紫式部」となって行った、との説があるようだ。よく似た「小紫」は、紫式部を小さくしたものなのでその名前になった。



きのうの新聞は1面もスポーツ面も社会面も15日のバレンティンの世界の王越え56,57号ホームランと岩瀬の佐々木大魔神に並ぶ381セーブが占領していた。その前々日13日には楽天田中が稲尾越えのシーズン21連勝達成がビッグニュースになっていた。


今年はプロ野球の当たり年だ。開幕直後からラミレス、中村紀、谷繁と3人立て続けに2000安打達成。米国ではイチローの日米通算4000安打。これだけの前人未踏の記録が(岩瀬のセーブはタイ記録だが今シーズン中に超えるのは間違いなし)誕生すれば、野球好きなら人生の節目に重ねるに足る大事であるはずだ。


ところが、小学生の頃からのドラゴンズファンの自分にとって、今シーズンのあの戦いぶりをみるとドラのみならずプロ野球に対する気持ちがなえてしまっている。小四の孫までがテレビ観戦しながら「監督やめろ」コールをしている始末だ。        

人生振り返って、節目に重ねるに足る大事は中一の年、昭和29年にドラの初の日本一。社会人デビューした昭和39年に東京五輪、王55本シーズン最多ホームラン、競馬シンザン初の3冠馬。などが思い出される。


プロ野球に対して気持ちがなえるのをドラのふがいなさのせいにするのか、それともドラやプロ野球以上に己に興味と緊張感を与えてくれる何かのせいにするのか? 自己分析すれば、両者。どちらかといえば後者かな。”何か”とはこのクマさんの日記かな。