期待と不安のリニア新幹線


3週間ぶりの秋晴れ続き、真夏日続きの週末。先週の台風一過の週明けには、桜公園グランドのフィールドで赤トンボが乱舞していたが、この土日は真夏日続きでウチの庭では大きなアゲハチョウや白いチョウが乱舞。中秋の真夏日風景が見られた。


先週リニア中央新幹線の駅の場所やルートが公表された。1964年の東京五輪開催に合わせて開通した東海道新幹線、当初は万里の長城戦艦大和と並んで世界三大無用の長物と揶揄された。リニア新幹線も、無用の長物とまで云わないまでも、一民間企業が勝算なき闘いになぜ臨むのかと疑問に思う。


経済効果が期待できること。東海道新幹線と並行営業するので、どちらか一方が被災してもバイパスを確保できるなど地震津波に強い国づくりに寄与できること。世界に先駆けて長距離リニアを実用化することで、海外展開が期待できること。などメリットは大いにあり待ち遠しい。


しかし、中央リニアは、総工費9兆円の巨大インフラを一民間企業のJR東海が独力でやるというのだ。民間企業である以上採算確保が至上命題である。人口減が進む日本で、リニアと東海道新幹線の両路線を満たす需要をどう生み出すのか。建設コストや工期を想定の範囲に抑えられるか。課題は山積だ。


穿った見方をすれば、東京五輪招致の成功から矢継ぎ早に発表することでアベノミクス推進の演出効果が高まると云う意味でこのタイミングで中央リニアの具体案発表を政治的圧力でさせられたのではではないだろうか。               


いずれにせよ、国民の税金を使わずに民間企業がやることだからと光の部分ばかりにスポットライトが当たって反対運動もあまり起きていないようだが、第2、第3のJAL、東電にならないことを祈りたい。それにしても、長生きしてリニアに乗ってみたいものだ。期待と不安が複雑に交錯するリニア新幹線だ。