晩秋の金沢


晴れていたかと思っていたら突然降りだし、降っていると思っていたら突然日が差し込む。11月も下旬になれば、こんな天気が続くから、金沢では昔から「弁当忘れても、傘忘れるな」と云われる。                            


月曜の昼下がりの北陸道敦賀を過ぎて福井市内に入っても青空が続く。石川県に入ったとたんに北陸特有の天気に見舞われた。金沢市内に入り雨の止み間に観光客として、シンボル兼六園金沢城公園、長町武家屋敷を駆け足で散策。(こんな表現はおかしいか?)


上の写真は北陸の天気を象徴する一枚だ。金沢城公園のだだっ広い芝生の広場から兼六園の方角を望むと周囲の紅葉の始まった林に後光が射しているように光り輝いている。その背後には真っ黒な雲。やがて、日が陰り不気味な風が吹き、雷鳴がとどろいてみぞれかあられが、冬だったら雪が降ってくることを予感させる雲だ。


兼六園の霞が池のことじ灯篭と内橋亭。絵葉書的な代表的な風景だ。10年住んだ金沢を離れてから35年以上も経つ。金沢市民の間は見向きもしなかった。金沢を離れても現役時代には、たまに訪れても散策するとかと云ったことには縁遠かった。


ゆとりが出来た今、一観光客として訪れてみるとこんなにも風情のある所だったかと思い知らされる。月並みだが、まずはこの時期だから紅葉とことじ灯篭や内橋亭を写真におさめたくなるのも常識人の証しだろう。紅葉度は70%くらいではないかと思うが、カエデも多く晩秋の赤く染まった木々のあでやかな風情の上に雪吊りが立体的なアクセントをつけて美しい。