万引き


師走も半ばを過ぎ、今度の日曜22日はもう冬至だ。年賀状の受け付けも始まった。早くしないと・・・。毎年のことながら、気が焦るばかりでなかなか進まない。


毎年今頃の時季になると、カミさん丘陵地の土手にあるクチナシの実を摘むのに忙しい。おせち料理のきんとんの着色剤に使う知人達から頼まれるのだ。実を半分に切って水に浸すと黄色の液になり、これを着色剤にするのだ。クチナシは八重と一重があり、八重には実ができないとのこと。この実の口が開かないことから「口無し」、クチナシの名前となった。


けさのラジオ深夜便、12月17日の誕生日の花はビワと云っていた。今月の初めウチの庭に咲くビワの花をアップしたばかりだが、花枯れのこの時季だから再登場とした。


ビクトルユーゴー原作の「ああ無情」の主人公ジャンバルジャンは貧しさゆえに1本のパンを盗んで19年もの監獄生活を送ることになった。時代も変わると万引きの動機も思いがけないことに起因するようになってきたようだ。まさか、教師が、まさか警官がというようなこともニュースになっている。そんなことの分析が先日の日経電子版に出ていた。


高齢者が万引き犯に占める比率が3割を超えた。人口全体の高齢化を上回る増え方だという。お金はある。しかし生きがいがない。家族も友人も周りにおらず孤独に悩む。誰かにかまってほしくてつい、という場合が多いという。昔なら買い物ついでに会話があった。店先から会話が消えたことも、高齢者の孤立感を深めたともいえる。などと分析していた。


クマさんは分析する。人と人との温もりが、町中の監視カメラの冷たい目で冷やされてしまった。万引きは昔貧しさから、今冷たさから。