大須演芸場の支援


久しぶりの氷点下の朝。8日ぶりとのこと。「立春」というよりは「立冬」と云った方がふさわしいほどの陽気の変わりようだ。肌を刺すような風の中のウォーキング。ひとりだけなら中止にするところだが、ご近所さんたちと一緒だからそんなわけには行かない。互いにそう思ってやっているから続いている。


この季節ならではの珍しいアヤメが農家の庭先に咲いていた。一般に知られるアヤメは5月咲きだが、寒アヤメは2月に咲く。草丈はアヤメの半分ほどの20cmくらい。葉も細く花弁は寒風で今にも散ってしまいそうなほど薄く淡い色だ。この農家の庭でもウチでもアジサイの冬芽が先週末の暖かさで冬から目覚めかけたが、この寒さで二度寝に入ってしまったようだ。



都市は川があって文化が育つと昔から思っていた。ロンドンにテムズ川、パリにセーヌ河。東京に墨田川、大阪に淀川。川があって詩歌、絵画、文学が育つのだ。名古屋はどうか?堀川がある。ありゃ運河だがや。自分の勉強不足かもしれないが、堀川を称えた詩歌などきいたことも見たこともない。名古屋は文化不毛の街の所以だろう。


芸どころ名古屋といっても、御園座は倒産同然。大須演芸場は倒産。やっぱり、東・名・大の三大都市と云っても東・大の横綱大関に対して幕尻の名と云われても仕方あるまい。その大須演芸場の支援に美容整形の高須クリニックが名乗りを上げたというニュースがあった。


思い出すのは40数年前、東京人形町の寄席「末広」が閉まったとき、いっぱいの客を見て「普段からこうやって来ないから潰れるんだ」と立川談志が毒づいたことだ。云われてみれば、ずっと見向きもしなかったのになくなると知れば残念がる。大須演芸場に限らず、こうして店もブルートレインも消えてゆく。お客は薄情だ。


美容整形のクリニックが支援してくれれば、大須演芸場も安泰だろう。どうして?お客は薄情でも、人類生まれてこの方女性が美しさを求めることは途絶えたことがない。支援は永遠に続く。大丈夫ですね。高須先生?「Yes,高須クリニック