プレミアムと消費税アップ


昨夜からの雨が終日降り続く。冷たい雨だ。ようやくほころびはじめた庭の梅にも容赦なく冷たい雨が降り注ぐ。


1週間ほど前の中日新聞経済面に「牛丼プレミアム戦突入」の見出しで、低価格競争を繰り広げてきた牛丼業界が戦略を変え、高額メニュー充実にかじを切り始めたと報じていた。Aは牛丼をやめて値段が高い「牛すき丼」にラインアップを変更。Bは高めの鍋メニューを開発した。などと。


そういえば、1月頃に別の新聞で「ビール業界プレミアム戦争幕開け」の見出しで、「プレミアムモルツ」でシェア拡大しているサントリーと「エビスビール」が販売量を伸ばしているサッポロに対抗して業界首位のアサヒと2位のキリンが相次いでプレミアム版の発売を開始することを伝えていた。



長く続いてきたデフレで牛丼は安くて手軽な「国民食」として定着し業界は並盛280円戦争の様相だった。ビール業界も発泡酒や第3のビールによる低価格競争だった。それでも、嗜好の多様化でビール類の消費量は10年連続前年割れだそうだ。


アベノミクスの効果でデフレ脱却の兆しが見えて来たことから飲食業界だけではなく、航空業界でもエコノミークラスとビジネスクラスの中間にプレミアムエコノミークラスが設けられたように消費者は「安物」にそろそろ飽きが来たのではないだろうか。


供給側も商品の目先を変えて新しい需要を掘り起こす意図もあろう。牛丼業界のように円安で材料費が高騰と云う理由もあるだろう。”プレミアム”という消費者の優越感をくすぐる響きと消費税8%の綱引きが面白い。プレミアムには縁のない年金生活者は高見の見物だ。