御嵩 愚渓寺


雨上がりの日差しの明るい春分の日。それにしても、日差しの強さに比べて何と気温の低いことか。”暑さ寒さも彼岸まで”と昔から云っているが、最高気温が10度そこそこの春分とはなぁ〜。正岡子規が生きていたら「毎年よ 彼岸の中日に 寒いのは」と句にするかもしれない。


彼岸の中日とあって、可児嵩へ墓参りに。3,4年ぶりだと思うが、久しぶりに墓のすぐ近くの愚渓寺に立ち寄った。この寺1396年創建の臨済宗妙心寺派の寺院。石庭は有名な京都竜安寺の石庭の原型となったといわれる。砂を敷き詰め、帚目を付け、石を無造作に点在させただけのシンプルな庭だ。「枯山水」の庭だ。



5年前の生涯学習講座「異文化探検」インド編の講師小久保シュヴァ チャクラバティさんは茶の湯をたしなみ、日本庭園をこよなく愛する日本文化に大変造詣の深い古典舞踊家だった。

                              

特に感銘深かったのはわが故郷多治見の永保寺の庭園とこの愚渓寺の石庭を絶賛していたことだった。我がことを褒められたような気分で思わず周りの人に自分は多治見の出身でしかも先祖の墓の近くに愚渓寺があって誇らしいと話しかけたほどだった。



禅の世界にも枯山水の世界にも縁遠いが、この石庭のシンプルさの中に思想が、哲学が潜んでいるような気がする。