キラリと光るガイドさん

好天の日曜と掌を返したように朝から強い雨降りの月曜に兵庫県城崎に1泊旅行。小中学校同級生の仲良しグループ23人の毎年恒例のバス旅行だ。この歳になると全員揃ってとはなかなか行かない。今年は18人となった。2年前から使うバス会社は、地元多治見で商売をしている連中のしがらみもあって、小牧に本拠を置いて、瑞浪に営業所のある規制緩和後に出来たと思われるような会社にしている。


企業の経営改革の一環として「CS(顧客満足)…」が20年前くらいから各企業で取り組みがなされていた。多治見にあるゴルフ場、多治見カントリーではCS運動でキャディーさんが客を名前で呼ぶことが定着していて評判をよび、全国規模のCS大賞をとったことがあった。



今回の旅行のガイド(25歳)は多治見カントリーのキャディーを彷彿させる客の扱い方で一同感動した。コンビニやファストフード店のマニュアルのオウム返しなどとは違って、土地言葉もまじえシチュエイションに応じた対応で「○○さん、お酒はもうやめといた方がエエやないの」などとやるのだ。


自分の祖母とほとんど歳の変わらないわがメンバーの女性から、「よそよそしくお客様なんて云われるより、自分の名前を云って話かけられると、うれしいものだよ。続けてやりなさいよ」などと云われていた。



彼女に訊ねた。客の名前を呼ぶのは会社から指示されたものでもない。多治見カントリーのことも今初めて聞いた。ただ、自分がこの仕事が好きで、どうしたら楽しい旅がしてもらえるか考えている中から思いついたこと。そのために、今回の場合だと幹事から予め各人の職やエピソードなどを仕入れておいたとのこと。


”寄らば大樹の陰”で名の通った大企業で安穏と過ごしたいと志向する昨今の若者・・・そんな風潮の中で、彼女のように自分の目標をしっかり持ち果敢に立ち向かっている姿を見ると清々しい気分になる。城崎温泉は去年の春にも行ったし、出石も去年の秋に行っている。おまけに2日目は雨、名神高速の集中工事で大渋滞。そんな中でキラリと光るガイドの接客ぶりだった。