卯の花にホトトギス

真夏を先取りしたような日だと思っていたら、今年初の真夏日だった。きのうも真夏日にこそならなかったがこんな日だった。きのうの豊田・藤岡の緑化センターでの季節の花めぐり、テーマは「色彩豊かな花」だった。色彩豊かな花が咲くには咲いていたが、むしろ「夏を告げる卯の花とほととぎす」とした方がふさわしいほどの風情だった。


バラ園で咲き乱れる色とりどりのバラ、眩しいほどに光輝く新緑の中で緑のすだれを垂らしたようなシナサワグルミ。確かに色彩豊かだ。周囲の木立からは四六時中ホトトギスのさえずりが響き渡っている。まさに、目に青葉、山ホトトギスだ。



この時季、山野にはもちろんだが、この緑化センターでも卯の花が賑やかだ。そして、実に種類が多い。卯月に咲くので「卯の花」と云われる。茎の中が空洞なので「空木(うつぎ)」とも云われると云う。木々の緑がどんどん濃くなって行く中でのウツギやセイヨウバイカウツギの白さは印象的だ。



卯の花の  におう垣根に ホトトギス早やも 来鳴きて ・・・・と、小学唱歌にもある。卯の花ホトトギスは春の梅にウグイスと同様古くからの取り合わせだろう。この緑化センターで上空を飛ぶホトトギスの姿を初めて見たが、意外と大きい。ヒヨドリをひとまわり大きくしたくらいだ。



ちょうど今頃、梅雨入り前なのに梅雨のような天候になることがある。このまま梅雨入りするかと思っていると、また晴天が続いたりする。こんな梅雨の前ぶれを「走り梅雨」という。このようなこの時期の長雨を「うのはなくだし」といい「くだし」は「腐」の字をあてる。とこんな説明までボランティアの指導員が説明してくれた。



豆腐のおからを卯の花というがどういう関係か?こんな質問まで飛び出して、指導員さんは「豆腐の白さを卯の花に見立てて、そういうのではないでしょうか」と答えていた。



緑化センターで見られるウツギにはこの他にヒメウツギ、マルバウツギ、バイカウツギ、ガクウツギ、ツクバネウツギなどがあるそうだ。


おいしい空気を吸って、目の保養、耳の保養、心の保養をさせてもらった半日だった。