血縁より地縁


7月の声を聞いたとたんに、まるで梅雨明けかのような真夏の天気だ。この暑さにまだあのうるさいセミの声がないだけでもまだ凌ぎやすい。


江戸の夏の風物詩、浅草寺の「ほおずき市」でお馴染みのホオズキを家庭菜園で栽培している方がいて、いまオレンジ色の実が鈴なり状だ。この実の中に、外側と同じオレンジ色の球形の”ほんとの実”がある。この実の中身を楊子などで掻き出して皮だけにしたものを口にして鳴らすことができる。子供の頃、女の子の遊びだった。





誰もが介護する側や介護される側になる可能性の高い超高齢化社会だ。元気なうちは自分一人でやれたり外出できたりしたことも、出来なくなれば本人にも家族にもストレスが溜まってしまう。


そんなとき、認知症の有無や程度にかかわらず、少しでも昔のように楽しい時間を過ごせたらと「認知症カフェ」がウチから徒歩で10分くらいの場所に今月からオープンする。社会福祉施設の中にある喫茶店を貸し切って地域住民向けに月1回開かれる。参加費無料。喫茶メニュー有料。ここで行われるプログラムの特徴はトランプなどのゲームを通じて思考力を積極的に活用することとのこと。


わが老人クラブのメンバーの中にも、夫に先立たれ独り暮らしになり施設に転居されたり、習い事や遊びのサークルからも脱退して引き籠りがちになった人が何人もいる。一人暮らしの気楽さは加齢とともに心細さにすり替わる。頼りは血縁より地縁と云っても過言ではない。