原点回帰


台風一過で夏本番が来たかと思いきや、週末は梅雨空に戻った。土曜のウォーキングは境川の最上流、長田池方面へ向かった。三好ヶ丘駅から歩いて20分ほどのところだ。途中に蓮田がある。三好丘近辺での蓮田はここだけではないかと思う。


水面まで花茎を立てて花が咲いている。早朝に開花して午後3時過ぎには閉じるそうだ。11時頃に行ったから、どうりでどれもこれもくたびれたような咲き方だった。以前農家の方から聞いたが、花の開閉は3回繰り返し、4日目には花びらが散るそうだ。


花の中央部分に実のは入った花托(花床)はたくさんの穴があいていて蜂の巣に似ていることから「蜂巣(はちす)」、それが転じてハスになったそうだ。


枝豆と大豆が同じものであることがおとなになるまで信じられなかった。それと同様、香典袋に描かれているあの蓮とレンコンが同じものであることも信じられなかった。ネットで調べてみると、仏教では西方浄土の極楽は神聖な蓮の池、と信じられているため、寺の境内にハス池をつくって植えるようになったとのことだ。



高架になっている駅舎を望む大きなガラス窓に沿ってカウンターと回転いすが5.6人分、テラスへのドアの手前には4人掛けテーブルが2卓。テラスには4人掛けくらいの丸テーブルが3卓、日除けの可動式テントが張ってある。これが、コンビニ併設のカフェだ。


台風接近中の先週木曜のこと。三好ヶ丘駅前のカリヨンハウスのイベント広場で開かれたハッピー講座に裏方ボランティアで参加した。講座の開講中は裏方はヒマなので、この建物の2階にあるコンビニに缶コーヒーを買いに行った。ところが、なんと「いれたてコーヒー」のカフェ併設でないか。パン屋が親会社のこのコンビニ、パンの種類も豊富だ。駅前の賑わい創出の一助となるだろう。



先日の新聞に出ていた。セブンイレブンでは店内の一画にテーブルといすを並べ、買ったものをその場で食べられるように工夫した店を相次いで開いているそうだ。必要なモノを日々売り買いする市場(いちば)は、もともと近隣同士が顔をあわせ、言葉を交わす交流の場でもあった。効率を極めた現代の小売業が、商いの原点に戻りつつあるのではないだろうか。


コーヒーと喫茶店も同じことが云える。きのうのテレビでやっていた。米国ではスタバの機械式に注がれるコーヒーに嫌気がした連中が少々値段は高いがバリスタが一杯一杯丹精込めて入れるコーヒーを出す喫茶店にツアーを組んで客が訪れている。この店のオーナーは日本で学んで米国に何店舗も展開し、今秋には日本にも上陸するとか。


どんな分野にせよ、効率一辺倒の行き着く先は原点回帰と云えるかもしれない。