脱法ハーブとワルナスビ


子どもたちは夏休みに入ったと云うのにまだ梅雨明けにはならないようだ。それでも、今週の週間天気予報ではオールお日様マーク。あすには、この地も梅雨明け宣言ほぼ、間違いないだろう。丘陵地の畑では、燃え盛る火を彷彿とさせる真っ赤なケイトウに似合いの時季となってきた。


”脱法ハーブ”が大きな社会問題になっている。そもそも、そのネーミング自体から社会問題になるべくしてなったのではないだろうか。法律に触れないように悪事をすることが”脱法”だから、後ろめたい気持でそのハーブをやろうとする者にしてみれば、”脱法”という言葉が彼らにどれほど悪魔に近づけさせたか計り知れないものがある。




ナス科にワルナスビという名前の多年草があるが、このネーミングは悪いものは悪いと警告をしているようで的を射たものだと思う。”脱法ハーブ”も当初からこんな視点からのネーミングだったらと悔やまれる。


このワルナスビ、我々がやっている家庭菜園の土手ですごい勢いで繁殖し始めた。淡い紫色の花畑が広がっているように見える。ナスやジャガイモも同じナス科だが、ジャガイモの花によく似ている。うっかり手に取ったとき、鋭いトゲが敵意をむき出しにしてくる。茎だけでなく葉の表裏にまで鋭いトゲが生えている。


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この”ワル”の悪さ加減をネット検索。「全草に毒があって牧場では家畜に中毒を起こし、畑では同じナス科のトマトやジャガイモに被害を与える害虫の温床ともなる。嫌われがちな外来植物の中でも、最悪と言っていい。海外では“悪魔のトマト”とさえ呼ばれるほどだ。」とある。


更に「ワルナスビが長いトゲや毒を持つことは、草食動物から身を守るためだし、種子が長い寿命を持つのは、生育にあった環境をひたすら待ち続けるため。実際、在来の植物が繁茂した草原や林の中で群落を作ることは少なく、手入れをされていない道ばたの草むらや、畑地、牧草地などがワルナスビの主な生育場所となっている」と続いた。


「盗人にも三分の理」いや「ワルナスビにも三分の理」。脱法ハーブに理はまったくなし。もちろん、利などあるわけない。法治国家らしく何とかして!