盆 その二


盆には炎天とせみしぐれが似合いの風景だが、それがおよそ不似合いの時折雨模様の静かな盆の一日。軒下の植木鉢に雨宿りをしていたのか、まるで白いフレアスカートのような白い蝶が羽を休めている。盆だ、殺生はいかん。そっと、しておこう。


豊明に住む友人から転居の知らせの葉書が来た。歳を重ね機動性・安全性・利便性を重視して地下鉄東山公園駅の近くのマンションに転居とのことだ。同様の理由で7〜8年前に可児市から新瀬戸駅前のマンションに転居した友人もいる。都心回帰だ。これも、この先を考える選択肢の一つだろう。


盆の最中で麻雀のメンバーも成立せず、雨模様の静かな午後、お盆にちなんで「死」とその前後について夫婦で思いをめぐらせてみた。



色々な考えが行きつ戻りつ、そう簡単に結論が出るわけがない。カミさんと意見が一致した点。

1.周りの者を戸惑わせないため、不必要な治療を受けないため、何よりも自分自身のために最期の迎え方、葬儀、墓、相続など についてエンディングノート書き留めることを後期高齢者になるまでに仕上げる。


2.みよしの住まいは広い意味での住環境がいいから、都心回帰はしたくない。互いに一人になった時はそのとき考える。


3.最期の迎え方は自然な経過に任せ、延命措置は講じない。


4.葬儀は家族葬。一代で終わるから墓は不要。残された者が己の心に向き合いやすい形での永代供養。


天気は悪いが、色々なことを考えるにはいい雨だった。いい盆だった。あしたは、ファミリー全員集合だ。