シンガポール あれこれ

今年も余すところあと2ヶ月となった。「旅のあれこれ」もきょうのシンガポールでひとまず区切りをつけよう。「世界三大がっかり」。世界的に有名で、観光客が多い割には、素朴・簡素・小規模で、過剰な期待を裏切るとされる場所の代表例のことだ。具体的にはシンガポールマーライオンコペンハーゲンの人魚姫の像、ブリュッセルの小便小僧を指すそうだ。



そのシンガポールマーライオンを見てがっかりしてきた。今月の16日から20日まで。長女夫婦と嫁ぎ先の両親合せて3家族だ。世界最高評価エアライン、シンガポール航空は評判通りの「最新鋭の翼とやさしいおもてなし」だった。そもそも、シンガポールとは国の名前か都市の名前か、常々疑問を持っていた。現地のガイドに尋ねてわかった。シンガポール市を中心とし、後背地を持たない都市国家の名前ということだ。


高層ビルが林立し漢字があちこちで踊っている風景は香港と似ているが、アジアの街の喧騒感がない上に清潔感がある。チャイナタウンやリトルインディアへ行けば別だが・・・。国際金融センターランキング5位の市場、ビジネス・人材・文化・政治の総合評価世界都市ランキング9位の風格がある。



ガイドに日常の暮らしの話を聞くと、この国は何事をするにしても徹底的にする。中途半端なことでは終わらない主義のようだ。タバコやごみのポイ捨てに始まり、ガムを販売させない、選挙を棄権したら罰金、飲酒運転は厳罰。交通渋滞が比較的少ないようなので、質問すると自家用車を持つには数々の税金が課せられ日本の3倍くらいの価格になる。交通量の多い場所・時間帯に一般道といえども通行すると日本で云うETCのような機械の取り付けが義務付けされていてそこに課税されるなど、など。



写真は地下鉄のホーム。ホームドアとかスクリーンドアという。ホームからの転落や列車との接触事故防止などを目的とした安全対策の一つだ。藤が丘から万博公園に行くリニモの全駅に設置されている。シンガポールでは地下鉄全駅にこれだ。営業キロは名古屋の地下鉄より長いと思う。ロンドンやパリでもごく一部にしか設置されてないはずだ。このドアのために電車のボディーの写真は撮ってない。


国民の9割は公営住宅に住んでいると云う。この国は中華系8割、マレー系とインド系で2割という。公営住宅ではブロック毎に民族比例配分して民族が偏らないようにしているという。今はほとんどが高層ビルの住宅になったが、下の写真のような住宅が初期のもので観光名所になっているという。




シンガポールは、世界でも少子化が進んでいる国の一つであり、政府は労働力確保のため、移民を推進しているという。マレーシアのジョホール・バルへ日帰り観光したときのことだ。出入国検査が空港並みにある。頭にスカーフを被った若い女性が団体で並んでいる。ガイドの案内によると賃金の安いマレーシアから高いシンガポールへ毎日働きに来ている女性たちで、夜勤が明けて帰宅するところだという。 
                                             

そういう連中のバスは同じ色のバスで何台も見かけた。まさにシンガポールの労働力不足を支えている「国境なき渡り鳥集団」と云えよう。残念ながら出入国検査場のあるエリアでは写真は撮らせてもらえない。



わずか5日間だけの見聞だが、最後にガイドに、この国の原動力は何かと問うと、大きな声では云えないが日本の新聞が上手い表現をしていた。「明るい北朝鮮」と。そうか、一党独裁がいい方向に向かっているのだろう。移民に寛大過ぎて欧州の国々のような問題をおこさなければいいが・・・。