底浅い 米国文化


きのうの「狐の嫁入り」とはうって変わって穏やかな日和となった。あす7日が立冬だから、きょうのような日和を「小春日和」と云っても誤用ではないだろう。


先刻の和食に続いて「手すきの和紙」がユネスコの世界無形文化遺産に登録することの勧告を受けたことが報道されていた。これで日本からの登録が22件、世界で281件。米国は1件もなし。ということが併せて報道されていた。何となくわかる気がする。米大陸が発見された頃、欧州でも中国でも日本でも王侯貴族の文化華やかな時代だった。米国は文化後進国なのだ。



先日のシンガポールでのホテルは米国ラスベガスのカジノリゾート運営会社が開発したホテル。世界最大級のカジノを中心に、2,561室のホテル、コンベンションセンター、ショッピングモール、地上200mの屋上プールなどを含んだ複合リゾートとなっている。


200〜300人は収容できる朝食バイキングのフロアーには、省力化のためのバイキングなのにどうしてこんなに人がいるのかと思いたくなるほどのウェイトレスさんの数。それをSPまがいの黒服のお兄ぃさんが目配りし指示を出している。規格大量生産、大量消費、効率運用、これが米国流なのだ。米国の象徴を見た思いだ。


板張りの床、壁の奥には暖炉が赤々の燃え、その周りにはアンティークが・・・。こんなホテルの風情の方が心が潤い、癒される。米国人とは肌合いが違うだろう。経済規模、軍事規模での世界のリーダーも、ジャズがある、モダンアートがあるといっても歴史の奥深さが違う。


経済規模で軍事規模で今や米国を意識して張り合って行こうとしている中国にしてみれば、「こちらは4千年の歴史と文化。たかが2百数十年の俄か成金、何するものぞ」といったところだろう。米国に世界無形文化遺産登録が1件もないという記事に接して素人判断でこんなことが考えさせられた。