繁殖する危険ドラッグ


朝から低く垂れ込めた空からいつ雨が落ちてきてもおかしくないようなうっとおしい日中。夕方には時折薄日が差し込むほどまでに回復。公園や遊歩道沿いの銀杏、桜、ナンキンハゼなどの木々は場所によっては、はっと息を飲むほどに彩り鮮やかに変身したものが散見できる季節になった。


遅咲きで毎年3月の初め頃まで咲いている庭の山茶花が今シーズンの初咲きだ。なぜか、一番西側のウッドデッキに接している一角だけで咲き始めた。



農家の入り口の庭にヤツデの花が咲いていた。つやのある厚手の20cm以上もあるような手のひら状の大きな葉だ。ネットで調べると、別名「天狗のうちわ」というそうだ。魔物を追い払う力があるというから家の入口に植えてある意味がわかる。


他の花がほとんど咲かない11月末から12月に花をつけるヤツデ。おととしの秋、緑化センターでの季節の花めぐりの際に配られた資料を引っ張り出した。そう、思い出した。小さな花が、その存在を虫にアピールするために集まってピンポン球のように丸くなっている。蜜を求めてヤツデに来るハエやアブにとってヤツデは貴重な冬越しのための栄養源。ヤツデにとってはライバルとなる花が少ないため、昆虫を独占できて確実に花粉を搬送できる。他の植物の盲点をついた、したたかな繁殖戦略なのだ。


繁殖戦略と云えば、「危険ドラッグ」その広がりは凄まじい。その危険性も含めて連日報道されている通りだ。この類の犯罪は報道される世界だけのことで、善良な市民約2900人が住むわが町内とは無縁なことだと、地域の防犯のボランティアで広報を担当する自分はそんな感覚でいた。


ところが、去る8日の中日新聞の報道によれば、わが町内に住む46歳の女性が指定薬物所持の疑いで豊田市内で逮捕されたのだ。「危険ドラッグ」の繁殖戦略がこんなところまで及んできたのだ。大変ショッキングなニュースでこの地域にとっては由々しき問題だ。