冬芽


正月休みがついこの前にあったと思ったら、もう3連休だ。こんなことで、サラリーマン諸君落ち着いて仕事ができるのかと心配になる。こんな心配をよそに休みながらも来る日に備えて黙々とエネルギーをため込んでいる連中がいる。先週金曜のNHK「ラジオあさいちばん」で♪春は名のみの 風のつめたさ・・・で始まる早春賦のコーラスの後で冬芽(”ふゆめ”とも”とうが”ともいうそうだ)と葉痕(ようこん)の話をしていた。



冬の木々は寒さに耐えるためにエネルギーを冬芽とよばれる小さな芽に蓄えじっと春を待つ。花や葉がそれぞれ違うように、冬芽もまた種類によって個性がある。葉痕(ようこん)は「葉の落ちたあと」のこと。この「痕」をよく見ると驚くほど木の個性が出ている。 一見殺風景な冬の木々も落葉後の葉痕と冬芽をセットにしてみるとけっこう面白いと伝えていた。



花が咲いたり、果実ができたり、葉が生い茂ったり紅葉したりする、そんな花木の営みの華やかな舞台が休演中のときにそのバックヤードを覗いてみるのも一興だ。善は急げと、舟峪公園の梅林へ。バックヤードどころでなく、表舞台でもう立ち稽古が始まっている。子どもの頃、”鼻くそまるめて梅仁丹”と云っていたあの梅仁丹を思い出させるような蕾が日当たりのいい場所でちらほらだ。


そうかと思えば、同じ公園のモクレンの木はいかにも暖かそうなミンクのコートを着込んで風の強い三好丘丘陵地の冬を耐えている。本格的な寒さの入り口ともいえる「大寒」がまだ1週間先のこと。なのに、ほのかに香る春の気配といったところだ。バックヤードウォッチが楽しみになってきそうな気配もある。