負うた子に教えられ・・・・


目覚めると雨。比較的過ごしやすい朝。この雨も、雪が雨に変わる頃と云われる二十四節気の「雨水」の雨であればいいが、どうだろう。その「雨水」はあさって19日だ。日暮れまで断続的に降り続いている。


あさって19日は旧正月でもある。中国では春節。今週は春節ウィークで中国では民族の大移動とか。次女の婿が中国に単身赴任で、大移動に先立ち土曜日に一時帰国。娘が空港まで迎えに行くが、高速道の運転に自信がないからと同行を頼まれ夕方のセントレアへ行った。開港10周年でのイルミネーションがきれいだった。


きのう、たまたまちらっと見たテレビのインタビューでふたりの「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」の思いだった。ふたりは共に今年30歳になる若者。宮里藍と白鳳だ。その道を究めた者が自分の言葉で語る話は、たとえ若者であろうと説得力がある。


黒柳徹子が宮里をインタビュー。彼女が米女子ツアーで9年も一線で活躍できているのはメンタルトレーニングのコーチの存在に負うところが大きいと云う。「失敗を引きずるな、失敗したら部屋のドアを閉めよ」。つまり、起きてしまったことを悔やんでいて次のプレーに集中力を欠くことは禁物ということだ。アプローチに失敗して悔しがっていると、キャディーが「早くドアーを閉めてカギをかけて!」と云うこともあるらしい。



一方の白鵬は夜のニュース番組の中でテニスの松岡修造がインタビュー。どうせ、初場所稀勢の里との取り直しの相撲について審判批判で物議を醸した一件の弁解インタビューくらいに思っていた。いや、いやレベルの違うご高説だ。大鵬の優勝回数の記録を破って、次なる目標を訊かれて「後の先」(ごのせん)と答えていた。


「後の先」(ごのせん)とは昭和の大横綱双葉山 が得意とした理想の立ち合いとのことだ。相手より一瞬あとに立ちながら,あたり合ったあとには先をとっている相撲の立ち合い。出足が本物なら,一瞬先に立った相手に対して,遅れて立ったほうが低くいい角度で入ることができるそうだ。


双葉山が昭和の大横綱なら自分は平成の大横綱と云われるように頂点の更に上を目指さなければならない。試行錯誤から2年有余、稽古では「後の先」が冴えていても、本場所では自信がなかった。初場所8日目の安美錦戦でやっと実現できたという。「誰でもいい、どこからでも来い」という心境だろう。


道を究めたふたりの「負うた子」から爺さんが処世訓を得た感じだ。麻雀でうかつにも振り込んだ後、いつまでも悔やんでいたら先の展望が開けない。調子よく勝ち続けても、更に上をまたその上を目指すこと。処世訓じゃなくて麻雀訓かもしれない。