アンコールワット旅行


クマさんの日記、10日間のインターバルの間に季節が大きくジャンプした。暦の上でも先週の金曜日が「啓蟄」。冬の間土の下で冬ごもりしていた虫たちがうごめいてくる季節なのだ。旅行から戻ると庭の白梅が満開、家庭菜園の土手ではサクランボの木の花(桜桃)が咲き乱れわが世の春を謳歌しているのではないか。


きょうは予報通り午後から雨。庭や周囲の雑木林では、雨に濡れても、いっせいに芽吹き出した萌黄色、若緑色などのこまかな芽が輝いてみえる。それが、なんとなく明るい気持ちを抱かせる。これが「木の芽雨」というものか?麻雀を終え、意気揚々と雨の中を傘もささずに帰るのも、またよろし。春雨だからなぁ。




とにもかくにも暑かったアンコールワットベトナムとタイとラオスに挟まれたカンボジア。その首都プノンペンの北西250kmにある人口17万人ほどの小さな町シェムリアップがアンコール遺跡群の拠点だ。3月、4月が1年で最も暑い時季で、平均最高気温が35度を超す。


2日間かけて遺跡群をまわったが、2日とも昼食の後ホテルに戻って2時間なり3時間の休憩でプールで泳いだり昼寝がスケジュールに組まれている。70を越した小学校時代からの仲良しクラブ12人の旅行で現地のガイドが年寄りのツアーということで配慮してくれたものかと礼を述べたが、どうもそうでもなかったようだ。


この地では、昼の2,3時間は学校も商店も休むそうだ。ただ最近は近代的な商店やスーパーマーケットができて町の中心部では休むところが少なくなったそうだ。年中こんなに暑かったら学校の夏休みはどうなるかとガイドに尋ねた。夏休みはなく9月10月が農繁休暇だとか。



ベトナムの首都ハノイでも観光をした。こちらはシェムリアップより北でこの時季の平均最高気温は23度。今の名古屋周辺でのそれは12,3度くらいでないだろうか。日本、ベトナムカンボジアの国民1人当たりのGDPを調べたら、2013年実績で日本38644ドル、ベトナム4012ドル、カンボジア2576ドル。 GDPと気温が逆比例している。


まさか、GDPと気温に直接的な相関関係があるとは思わないが、間接的には何がしかの関係もあるだろう。赤道直下から北に南にある程度の距離をおいて四季があることが近代文明の条件と云えるだろう。日本、ベトナムカンボジアにあるGDPの開きはかつて植民地であったかどうかの差が占める割合が大きいのではないだろうか?



去年の秋の欧州鉄道旅行が欧州の鉄道に乗ってみるという目的があり、今回のメンバーと3年前に行ったマレーシア旅行はメンバーの中の娘さんがマレーシア交響楽団のピアノ奏者のオーデションに合格してそのデビューの応援ツアーと云う目的があった。ことほど左様に旅行にはなんらかの目的があるはずだが、今回はこれといった目的が見当たらない。


強いて挙げれば、「みんなが揃って行けるうちに行って、わいわいやろう」これだけだ。国内旅行は毎年行っている。今年も5月に予約済みだ。1泊だけの国内では物足りない。時差が少なく、4.5泊、名の通った世界遺産。消去法で自ずとアンコールワットに決まってしまった。


かくして、3月1日セントレアからベトナム航空でベトナムハノイ乗り継ぎカンボジアシェリムアップへ12名のジジババは旅に出掛けた。