北陸新幹線開業に思う


来週の水曜18日がもう「彼岸の入り」だ。日差しはすっかり春らしくなったと云うのに、風の冷たさは冬そのものだ。天気予報では霜注意報が出ていた。♪春は名のみの 風の寒さや で始まる「早春賦」が口をついて出てくるのが、毎年ながらこの時季だ。


いつまでも続く寒さへの景気づけにきょうのカキコの区切りに入れる写真は先日のアンコールワット旅行中、カンボジャのシェムリアップの街に咲く常夏の国の花で飾ろう。



このところ、特にこの1週間ほど北陸新幹線金沢開業に合わせて毎日のようにメディアでは特集が組まれている。東京と金沢以外の国民にとっては長野までの新幹線が金沢まで延びただけ。ただ、それだけのことでないか。なんで、そんなに騒ぐのと云いたくもなる。


日本の人口は減る。移民を受け入れるのはダメ。ともなれば輸出を増やし、外国からの観光客を増やさなければ日本丸は先細り一方になりかねない。外国からの観光客受け入れ素材としては十分役目を果たし得るだろう。


開業に伴う経済効果などはさんざんメディアに取り上げられているので省くとして、2月の下旬の日経電子版に鉄ちゃん的視点からこの開業の特集記事が載っていたのでつまみ食い。


東京から数えると7都県を走るこの路線、実は4つの電力会社の管轄エリアを通り、3回も周波数が変わる。JR東日本JR西日本にまたがって走るが、乗務員の交代は境界駅ではない。なんとも複雑な北陸新幹線だ。



この路線は4電力会社の管轄エリアの境界を縫うように走っている。東京から軽井沢までは東電、そこから上越妙高までは中電、糸魚川までは東北電、金沢までは北陸電。東電と東北電の周波数は50ヘルツ、中部電と北陸電は60ヘルツ。周波数が違うと何が問題か。車両だ。東北新幹線上越新幹線の車両は50ヘルツのみに対応しており、ふたつの周波数に対応した車両が必要になるのだ。



この路線、JR東日本JR西日本の間を走っている。境界は上越妙高駅でここまでがJR東の管轄だ。同じ新潟県内なのに糸魚川駅はJR西のエリアだ。ただ、北陸新幹線の場合は境界である上越妙高駅で乗務員の交代をしない。理由はその駅では通過する列車があるからだ。すべての列車が停車する長野駅で交代する。

JR西の乗務員は他所の会社の駅に出勤することになる。ちょっと不思議な感じもしてくる。



このような困難を克服して開業にこぎつけた日本の鉄道技術や運行技術は、今に始まったことではないが、実にすばらしい。そうかと思えば、脱線事故を起こし原因究明もしないうちに車両を地中に埋めてしまう中国。そんな国と世界の檜舞台で受注合戦ををして苦戦を強いられている。歯がゆいことこの上なしだ。