音姫


菜種梅雨の最中の束の間の晴れ間。自然と目覚めも早くなる。「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲・・・・・」枕草子の一節が頭をよぎるような気持ちのいい朝だ。


庭に出る。このところの雨に洗われたモミジの若葉、四つ池の周囲の柳の若芽。山桜がまだ咲いている。それぞれが光り輝いている。この季節のこの朝のこの天候ならではの風景だ。



鮮やかな新緑のモミジの上の方の陽当たりいい部分に赤い花が咲いた。秋の紅葉だけが私の存在感でないよ。春にはちゃんと花が咲くから見て頂戴と云わんばかりの表情だ。本名はカエデ属カエデ科のイロハモミジと申します。10数年前に庭に植えて、最近になって初めて花が咲くのを知った。


これだけ情報網が張り巡らされている現代社会。とはいえ、男性が知らない世界はまだまだ存在する。例えば女子トイレ。そこには、トイレ使用時の気になる音を流水音で消す洗浄音擬音装置音姫」が設置してある。温水洗浄便座に内蔵したタイプと独自に設置したタイプがある。


何のためにそんなことをする? 用をたすとき音を消すのは女のエチケットらしい。水を流して音を消すと水がもったいない。そこで擬音を使うということだ。働く女性2千人にアンケート調査したところ、77%がこの「音姫」を利用するそうだ。へぇ〜そうか。


知らない世界のことを知って何か得るものがあった? 知ってどぅっていうわけでもないが、レベルの高い、低いはあっても未知なるものへの探検、それが男のロマンなんだ。