遠くのメジャーより近くのマイナー


今にも降り出しそうな空模様の土曜、一転抜けるような青空が広がり北西の風がひんやりと心地よい日曜。両極端の空模様の週末だった。明けた今週は朝からかなり強い風が吹き台風ウィークを予感させる。毎朝5時からのNHKラジオ、「マイあさラジオ」の中の「マイあさだより」コーナーで金曜の朝長崎県対馬からのたよりを現地のレポーターが伝えていた。



上対馬町では今3000本を越えるヒトツバタゴ(別名ナンジャモンジャ)の自生木が満開。山を真っ白に染め上げる様は見事。台湾や中国大陸に分布し、日本では上対馬町木曽川流域にのみ生える。(レポーターはそう伝えた)入江を囲む山の斜面に多く、静かな海面を真っ白に照らし出す。この様子から地元ではウミテラシとも呼ばれている。今、ウミテラシの真っ最中とか。


土曜日豊田・藤岡の緑化センターでの「季節の花めぐり」。ここにも4〜5mの樹高のヒトツバタゴが3本あって、まるで雪が積もったように満開だ。4つに深く裂けた長さ1.5〜2.0cmの白い花を樹冠全体につけ非常に美しい。



先生の説明によると、本来の自生地は岐阜県東濃地方と愛知県犬山付近それに対馬と珍しい分布形態だという。鳥が種を運ぶことにより、全国的に自生するようになったという。国の絶滅危惧種に指定されている。対馬のヒトツバタゴは国の天然記念物に指定されている。


人間誰しも地元を身びいきしたい。ヒトツバタゴの本流は岐阜県東濃地方で、対馬は何かの間違いで渡って行ったものと思いたいが形勢不利だ。数年前に東濃地方の瑞浪市の自生地を訪ねたことがあるが、わずかな本数で保存状態もあまりよくない。一方、対馬は3千本も自生していて天然記念物に指定されている。おまけに、大陸から渡って来たと云うことになれば、対馬の方が大陸に近い。どうにも旗色が悪い。


遠くのまだ見ぬメジャーより、近くのマイナーの方が愛着が湧く。