あげること もらうこと


きょうは日照りもない薄曇りで真夏日を免れたようだが、まだ5月と云うのにこれだけ真夏日が続いたせいか、ウォーキングの道すがら独特な異様な匂いがどこからともなく漂ってくる。見渡せば栗林に雪が積もったように白くなっている。栗の花だ。白い穂のような花だ。


♪♪ あなたにあげてよかった  わたしのまごころを・・・いしだあゆみのヒット曲「今日からあなたと」の一節だ。この歌のようにまごころだけで贈り物がすめばいいが、物を贈ることは簡単でない。



先日のバス旅行の車中雑談の中で人に物を贈ることの難しさについて話の花が咲いた。ある人曰く。病気をして禁酒している時に酒が送られて来たので、仕方なく友人知人に配った。その酒をくれた人にも、お返しの品を贈った。結果、自分の手元には何も残らず、金だけが減った。バカげた話だと半ば憤慨していた。


実は、自分も案外こういうことを他人にしているのでは・・・。気を遣ったつもりで商品券にして、果たして誠意が通じたものかと心配したり・・・・。人に物を贈ることは本当に難しい。



先日配信されたメルマガに高野山の管長が体験された話が載っていた。管長が仲間とネパール訪れた時の話。木陰で弁当を食べていると貧しい子供達が寄ってきて、食べ残しをもらっていた。ネパール人のガイドが飛んできて子供達から弁当を取り上げてしまった。


そして、そのガイドはみんなの残飯を布の上に広げて、子供達に平等に渡るように分配した。日本人の食べ残しをねだってもらって食べる。それがどれほど、ネパールの子供達にとって心を痛めることか。同じものでも、同じネパール人の手から分け与えられれば、彼らのプライドを傷つけないですむ。


相手が一番欲しがっているものを、相手の気持ちになって贈るのが布施というもの。自分の要らないものを、他に与えて満足する。それは相手のプライドを傷つけることにもなる。

さすが、仏に仕える管長、うまいことおっしゃると感心した.