梅雨入り

午後から雨。東海地方も梅雨入りしたようだ。1ヶ月以上もじめじめした天気が続くと思うとぞっとする。かつては梅雨入り、梅雨明け宣言を気象庁がしていたが、いつごろからか、最近は「梅雨入り、明けしたとみられる」という発表の仕方に変わった。どういうわけだろうか?


一億総クレーマー状態のきょう今日に宣言などと断定すると、ちょっとでもはずれると世間がうるさい。そこで気象庁は宣言をやめて「・・・とみられる」調に変わったのではないだろうか。なにせ、相手は自然現象だ。杓子定規で測ったように行くわけがない。宣言なら宣言でも結構。もっとおおらかに構えて行こう。



週末は土曜も日曜もまずまずの過ごしやすい日が続いた。ウォーキングの道すがら丘陵地の畑のあちこちにあるビワの木に卵型をした実が鈴なりだ。冬の間地味な花が咲いていた。いまやっと実ができた。初夏を感じさせる風物のひとつだ。よそ様の木はこんな様子なのに、なぜかウチの庭のビワの木には今年はまだ気配なしだ。


ウッドデッキの下の日陰で10日ほど前からドクダミが咲き始めた。写真を撮るのを忘れていた。やっぱり、ドクダミは”日陰の子”だ。ついつい忘れられる。でも、ドクダミなどと恐ろしそうな名前をつけられているが、よくよく見ればけっこう清楚な感じがする。その上スペード形をした葉の濃緑が白い花を引き立てている様もいい。



ドクダミほどほめられたり、けなされたりする草花も珍しい。ネットで検索すると、「ドクダミの効能」と云う項目もあれば「ドクダミ駆除法」などという項目もあることからも察しがつく。


そもそもドクダミのネーミングは毒を収める(ためる)、毒を止める効能があることからとのことだ。それが別名では、ドクダメ(毒溜め)、ジゴクソバ(地獄蕎麦)などとひどくけなされている。かと思えば、10種類の効能があることからジュウヤク(十藥)とほめられている。



このドクダミ、数奇な氏素性(うじすじょう)と同時に生物学的にも異色の存在だ。ネットで調べると4枚の白い”花びら”、あれは花弁ではなく苞(ほう)といって蕾を包んでいた葉だそうだ。花はどれかというと、苞から出ている棒状の花軸に小花が密生している。その小花には花弁も「がく」もないそうだ。


週末土曜日は二十四節気芒種(ぼうしゅ)だった。いまの時季天気さえよければ、朝は4時半頃から明るくなる。黄昏時は7時半頃まで明るい。次の節気はもう夏至だ。梅雨入りとともに田畑は潤い植物は生命力をみなぎらせて、来たるべき実りの秋を迎えて欲しい。この先暴れず、荒れず穏やかな梅雨であってほしいものだ。