大きいことはいいことだ

厳しい暑さが続く。きのうやおとといと違って青空が広がっているだけ、なんだか救われた気がする。


チョコレートのコマーシャルで「大きいことはいいことだ」というのが流行ったのは半世紀ほど前のことだった。それまでの日本は、小さな幸せ、慎ましやかな幸せが美徳とされてきた。これまでにない速さで経済大国の道を歩みつつあるこれからは、もっとのびのびと胸を張って、大きいことはいいことだと主張しよう。そんなコンセプトでのコマーシャルだったと思う。


日曜日のウォーキングでは「大きいことはいいことだ」と主張しているかのような大輪ふたつに出会った。


丘陵地の畑で今年も直径が15〜20cmはある純白のチョウセンアサガオの花が昇りかかった朝日に光り輝いている。畑の牛糞の山の傍らで咲いているのは、何となく場違いの感じがするほどの上品さがある。地主さんの話では、別に育てているわけでなく、いつの間にか毎年今頃咲くようになったとのことだ。


ネットで調べると、このチョウセンアサガオは花の上品さに似合わず相当なくせ者なのだ。薬用植物であると同時に毒性植物でもある。薬用の代表例は江戸時代の医学者華岡青洲がこの薬草の主成分から精製した麻酔薬で日本で最初の全身麻酔をして乳がんの手術をした。「キチガイナスビ」といった別名を持つように毒性の代表例がある。オウム真理教が信者を洗脳、自白させるための薬物原料にこの薬草を使った。チョウセンは特定の地域を表すものではなく、単に海外から入ってきたものの意味とされるそうだ。



アメリカフヨウ。丘陵の稜線上にある知人宅の広い庭で夏から秋にかけて毎朝三輪、五輪と咲いてはしぼんで行く一日花だ。花の直径が20〜25cmと大きな目立つ花を咲かせるハイビスカスの仲間だ。


大きくて存在感があるから”アメリカ”がつけられたかと思っていたが、それは単なる思い込みで北アメリカ原産だからのネーミングのようだ。