クマも歩けばネタにあたる


新しい週の週明けとともに梅雨も明けた。腰の蝶番(ちょうつがい)の機能不全から立ち直ったクマさんも本格的な活動が始まった。きのうの歩数計は103歩。ほとんど計測不能に近い状態だったのが、きょうは11000歩を越した。「犬も歩けば棒にあたる」、「クマも歩けばネタにあたる」。歩けばどこかにブログのネタが落ちているものだ。


豊田市との市境沿いの林に沿ってのウォーキングコースの路傍でクズの花が咲いていた。暦の上では今週の木曜23日が「大暑」でこれからが一年のうちで最も暑い時期になるというのに、もう秋の七草の葛の花が咲いている。   


ちなみに07年からこの日記にクズの花の写真をアップした日を調べた。07年から13年までは毎年8月29日から31日までの間だ。去年14年は7月29日、今年は7月20日だ。科学的に定点観察しているわけでもないから、うかつなことは云えないが、どこかに環境変化があるような気がする。



「クマも歩けば変な虫に出会う」。林沿いのウォーキングコースの路傍の電柱に体長10cmほどの鮮やかなグリーンの虫が張りついているのではないか。カミさんが山まゆの幼虫だからと云って木の枝に戻してやった。変な虫ではなく、珍しい虫だったのだ。


「山まゆ」そのものはこの林沿いの道端で2度ほど見つけたことがあった。この幼虫と山まゆの因果関係がどうなっているか調べた。この幼虫が成虫になるとヤママユガという蛾になる。羽根を広げると10cmくらい。ヤママユガは卵で冬を越し、春、幼虫になって出てくる。幼虫の食べ物は、クヌギやコナラやシラカシなどの葉。                


夏の初め、幼虫は、葉をモリモリ食べ、7cmほどの大きさになる。(写真はこの状態)大きくなった幼虫はさなぎになるために体のまわりに糸を出し「まゆ」を作る。このまゆの中で、幼虫はさなぎになり、秋の初め、成虫になって出てくる。




「山まゆ」は鮮やかな緑色をした繭を作る。繭一粒から得られる糸は長さ約600〜700m、1000粒で約250〜300g程度の絹糸が採取される。この糸は「天蚕糸」と呼ばれる。その希少性に加え、糸そのものの優雅な光沢や、軽くて柔らか、繊維の強靭さなど、優れた特長、価値をもっている。                          


また、染料に染まりにくい特徴は、天然絹糸の美しさを際立たせ、まさに「幻の青繭」あるいは「繊維のダイヤモンド」といわれているそうだ。


この「山まゆ」の写真は3年前の7月18日にきょう出会った幼虫とほとんど同じ場所の木立の中で見つけたもの。この年の秋の生涯学習講座で奥三河段戸裏谷原生林に行ったとき、「山まゆ」の話が出て誰一人見た人がいなかったので、次週の講座日に持って行き受講者の皆さんにお見せしたことがあった。


秋の七草が盛夏になる前から咲き出すのも、山まゆがウチの目と鼻の先から消えてなくなるのも「人」の環境を大事にしようとする気持ち次第だろう。縁あって移り住んだ三好丘、環境を大事にしたいものだ。