或る列車


抜けるような青空に湧き上がる雲、真夏の空だ。むせ返るような草いきれの中で涼しげに咲いているのがこの花、ヘクソカズラ。誰がつけた名前か、名前でだいぶ損をしている花だ。別名サオトメカズラというそうだ。最初からこの名前だったらこの花の人生、いや一生も随分変わったろうに・・・。


鉄道のことがマスコミで話題になるとちょっと首を突っ込んでみたくなるクマさんだ。先週の朝日のデジタル版の見出し。幻の豪華列車でスイーツいかが、JR九州或る列車」と出ていた。


先週その幻の豪華列車である「或る列車」をモデルとした新たな観光列車をJR九州が公開した。外観は金色を基調に唐草模様をあしらい、車内も木材をふんだんに使い落ち着いた雰囲気を出している。2両編成で定員は38名。8月8日から大分〜日田で運行をはじめる。2時間半の道中、軽食とスイーツ4品を提供し料金は1人2万円から。



或る列車」のいわれはこうだという。九州初の鉄道会社「九州鉄道」が1906年に米国にメーカーに発注した列車がモデル。営業運転せずに廃車となったため、鉄道ファンの間では幻の列車の意味で「或る列車」と呼ばれていた。模型をもとに、「ななつ星in九州」のデザインを担当した水戸岡鋭治氏が再現した。総工費約6億円。



キンキラキンのボディーに唐草模様、いくら復刻版といってもちょっとセンスがダサイなぁ〜。趣味が悪い。話のタネに乗ってみる人はいても、果たしてリピーターがいるだろうか?自分がトップだったらゴーサインは出さなかっただろう。JR九州のトップの英断に敬服する。


とかくサラリーマン経営者は「自分の任期中は・・・」と自己保身に走るものだ。その行き着く先が今問題になっている東芝ではないだろうか? 積極果敢と無謀は紙一重だ。JR九州は企業は永遠なりと長期的視野に立って成算ありとの判断でこの「或る列車」を走らせたものだろう。