身代金ウィルス


雨も上がり夏の日差しが戻った。そして蒸し暑さも戻った。ウチの前の歩道のツツジの植え込みの中に紛れ込んで咲いているヒシバデイゴ。夏の日差しが増すごとにいかにも南国の情熱の色を彷彿させる色合いになってきた。


緑化センターでの「季節の花めぐり」の際いただく資料「ワンポイント植物観察」にこんな説明が出ていた。ヒシバデイゴは鳥類によって花粉が運ばれて受粉する植物「鳥媒花」。このような植物の8割以上が赤い花。鳥は嗅覚が鈍いため花の匂いがない。蜜を大量に出す。鳥が蜜を吸いやすいように花の向きまで鳥仕様になっている。なるほど。


おとといの日経電子版、タイトルは「人質はデータ 身代金ウィルスが日本上陸」。開いたらいきなり左にある「警告」が目に飛び込んだ。一瞬ひっかかったと思った。


パソコン内のファイル(データ)を勝手に暗号化して読めなくした上で「元通りにしてほしければ金を払え」と脅迫メッセージを表示する身代金要求型ウィルスの被害が国内で拡大しているという。以前から個人を狙った恐喝まがいのサイバー攻撃はあったが、最近は企業や組織を業務停止に追い込むほどに拡大しているという。


暗号化されてしまったファイルの救済はセキュリティー専門の会社でさえお手上げだと云う。セキュリティー専門家はこうアドバイスする。第1には脅しに屈せず「金は払わない」が最大の対策。第2は万一に備えてのバックアップ。企業や組織ではネットワークから隔離された場所でも保管するなど何重にもバックアップをとる必要がある。



そんな記事を読んで、けさのことだ。ボランティアで防犯のことに携わっている関係上、愛知県警の地域安全対策ニュースが週に2.3回はメールで送られてくる。メールで愛知県主催「企業防犯セミナー」ご案内が届いた。募集チラシのファイルが添付されていた。


年金機構の情報漏えいが「標的型メール」と呼ばれる添付ファイル付きのメールがきっかけとなっただけに、ITオンチのクマさんにしてみれば「身代金」ウィルスも標的型メールも一緒だ。添付ファイルを開けるのに一瞬躊躇した。


何でも一度は疑ってかからなければ無事平穏な生活が出来ない世の中になってしまった。「性善説」なんてきれいごとなど云っておれないご時世になってしまった。