あれをやっちゃ、おしめぇよ


風に揺れるコスモス。甘い香りを漂わせるキンモクセイ。この季節ならではの風情だ。いつものウォーキングコースからちょっと足を延ばせばこんな風景が目に飛び込んでくる。穏やかな秋の日だ。



「あんなことは、我々エンジニアにしてみれば簡単にできること。道義的にあんなことはできないですよ。あれをやっちゃ、おしめぇよ。」トヨタで長年にわたってエンジン開発に携わってきたエンジニアの御近所さん。東京は葛飾柴又の生まれで寅さん口調の話し方だ。先日明るみになったフォルクスワーゲン(VW)の不正ソフトに対する見解をクマさんが求めた時の弁だ。




彼の云うには、技術的には可能でもメーカーとして道義的にはできない部分は色々なところにある。わかりやすい例でいうと、最高速度は時速200km以上でも走れるようにすることは簡単なこと。しかし、諸般の情勢を考えて時速180kmになったら、自動的に燃料の供給が停止するような仕組みにしてある。とのことだ。


ただ、スポーツカータイプの一部の車は燃料供給停止のプログラムにGPSを組み込んで、サーキットで走行する場合には停止しないようにしてあるものもあるそうだ。そんなことから考えると、VWの不正ソフトをつくるのが大したことでないことがわかる。                                       


彼の説明。排ガス検査は路上走行でなく、車輪の回転による検査。従って、ハンドルの”ぶれ”のないとき(検査の時)には正常の排ガスモードに、”ぶれ”のあるとき(路上走行時)は不正モードにする仕組みにすることは素人でも理解できる。



窒素酸化物の排出量が多いディーゼルの欠点を技術革新で克服したとアピールしたVW。とんでもない技術革新だった。EUの規制当局は路上走行すると排出基準をかなり上回ることに2年前から気づいていたと云う報道もある。EUにとって自動車産業界の重みを考えると政治的な配慮が動いたのではと勘ぐりたくもなる。


EUにとっては難民問題という逆風の上にVWがとんでもない禁じ手を使ったばっかりに自動車産業界への逆風。環境保護に熱心という欧州のイメージにも傷ついた。