明治村


生涯学習講座「明治村で学ぶ日本の文化」の2回シリーズ。1回目のきょうは座学で明治村のみどころを学芸員からのの講義。2回目の来週は現地見学。明治村は開村した50年前に1度と30年くらい前に1度行ったきり。リタイヤーしてぜひ行ってみたい博物館のひとつだった。応募者が多く抽選で当たってラッキーだった。


ところが、”やむを縁”で引き受けたお役のスケジュールの関係で、きょうの座学は半分受講しただけで退席。来週の現地見学は欠席せざるを得なくなってしまった。文字通りの”やむを縁”だ。博物館明治村の生い立ちなどは、何度も話しを聞いているので別として、たった1時間だけの講座だけでも聞きっ放しではもったないので日記にカキコ。



帝国ホテル旧本館にまつわるエピソード
1964年の東京五輪を控え、外国人の訪日が多くなることを見越して帝国ホテルは改築を余儀なくされていた。米国の大建築家ライト設計のこの建物を取り壊してしまうのはもったいない。と移築保存することを訪米した佐藤栄作総理は頼まれ引き受けてきた。総理は明治村初代館長の谷口吉郎にこれを要請し、大正時代の建築物ではあるが明治村に移築保存した。


ライト設計による同ホテルの外装タイルを製作するためだけにつくられた「帝国ホテル煉瓦製作所」の技術顧問に常滑焼の窯元の伊奈親子が技術顧問に招かれた。ホテル完成後「煉瓦製作所」は解散するが、これが伊奈製陶、INAX,現在のLIXILとして続いている。



北里研究所本館にまつわるエピソード
八角尖塔を頂く木造二階建のこの建物は、日本の細菌学の先駆者北里柴三郎大正4年(1915)芝白金三光町に建てた研究所の本館。NHK朝の連続ドラマ「花子とアン」で、ヒロイン安東はなが入学した修和女学校の設定で建物外観が使われている。


今年のノーベル賞生理学・医学賞受賞の北里大学特別栄誉教授大村智氏は北里研究所本館の移築セレモニーの際にテープカットをされた方。その後も何度も足を運んでおられたそうだ。



明治村にある67棟の建物にはそれぞれの歴史があり物語がある。そうした背景を知った上で建物に接した時の感慨はまったく何も知らずに接した時の何倍、何十倍にもなるだろう。1700円の入場料も生きたものになるだろう。

幕末から明治への激動の時代は数々の小説やドラマを生み出している。現在進行中のNHK朝の連ドラ「あさが来た」も「花子とアン」もそうだ。「あさが来た」のヒロイン白岡あさは古川智映子『小説 土佐堀川 女性実業家・広岡浅子の生涯』のドラマ化したもの。



彼女、日本女子大学設立後も死の前年(1918年)までの毎夏、御殿場の別荘に若い女性を集めた合宿勉強会を開いていて参加者には若き日の市川房枝や「花子とアン」のヒロイン村岡花子らがいたそうだ。世の中、いろいろな縁(えにし)で結ばれている。