金沢城公園 玉泉院丸庭園


天気図をみると西高東低、冬型の気圧配置。寒くなったはずだ。高山では初雪らしい。紅葉がどうのこうのと云っている間に冬が来てしまった。



金沢の兼六園も「雪つり」が似合いの季節になってきたようだ。毎年この時期に行く金沢での宿泊は近江町市場の向かいのホテル。今年はいつ降り出すかわからないような天気と紅葉がよくないと聞いたこともあって兼六園へ行くのは中止して、ホテルから歩いて10分くらいの金沢城公園だけ行った。


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金沢城公園だけは、たとえ雨が降っていても行くつもりでいた。維新の廃藩時に廃絶された金沢城内玉泉院丸の庭園「玉泉院丸庭園」が今年3月に復元一般公開されたからだ。案内板によると、二代藩主前田利長正室玉泉院がこの場所に屋敷を構えたことによるネーミングらしい。



大きな池に大小三つの中島を浮かべ、周囲を園路で結ぶ池泉回遊式庭園だ。何といっても、石垣を庭園の構成要素として取り入れて、形状や色彩など外観の意匠に趣向をこらした、「見せる石垣」として造られており、庭園の景色を特徴づける重要な要素となっているところがこの庭園の特徴だろう。池底から石垣の最上部までの高低差が22mもあるという。



午前8時半すぎ、ホテルのある武蔵が辻界隈は近江町市場への観光客こそまばらだが、通勤ラッシュの喧騒の中。大手堀から黒門坂へと進めば人っ子ひとりも見かけない静寂の中だ。玉泉院丸庭園でリュックを背負った中年女性と一組の老年夫婦に出会っただけだ。玉泉院丸庭園ワールドをほゞ独り占めにする。こんな贅沢、あぁ、もったいない。



堀と石垣に囲まれた内側は加賀百万石の世界、外側は巨大なビル群と駆け抜けていく最新鋭の新幹線。1年前のちょうど今頃訪れた時には、「玉泉院丸庭園」も「新幹線」もなかった。金沢は3月に開業した新幹線で大きく飛躍していまブームだ。一過性のブームで終わって欲しくない金沢ブーム。わが第2の故郷だ。