オーストリアの環境対策


平年並みの本格的な冬の寒さになったようだ。東京では初雪、初氷のたよりだ。先日、知人宅で葉を残したままで開花したロウバイを見たが、ウォーキング中の畑の土手で葉を落として咲く本来の姿のロウバイを見つけた。ここにも、平年並みの冬の姿があった。


とはいえ、暖冬を反映するかのように庭ではムスカリが、ノースポールがボチボチだ。桜の咲く頃に、これ見よがしに白い絨毯を敷き詰めたように咲くユキヤナギがあざぶの丘公園の池のまわりでポツリ、ポツリと可憐な花を開き始めた。



4月から電力の自由化に向けて中電がきのう新料金メニューを発表した。この自由化を受けて豊橋の都市ガス会社が電力に参入するにあたって、山林から出る間伐材を燃やして発電するバイオマス発電所を建設する計画を発表したことが、先月の新聞に出ていた。


送電時の電力ロスにつながることもあって、自由化後はバイオマスや小水力など地域分散型の小規模発電所が増え、電力の地産地消が進むとみられていることも新聞は報じていた。この記事で5年前の震災直後の4月にオーストリアザルツブルクグラーツ、ウィーンなどで彼の国の環境に対する取り組みに感銘を受けたことを思い出した。



ザルツブルクでの2連泊。ホテルの洗面所のタオル掛けに水色の厚紙がぶら下がっていた。イラスト入りでドイツ語と英語でなにやら書いてあった。どうも、こういうことらしい。連泊だからタオルをリユースしてください。5回のリユースで木を1本植樹します。当ホテルは国連環境プログラムの10億本植樹キャンペーンに参加しています。今では、日本のホテルでもこの類の取り組みを時々見かけるようになった。


現地のガイドさんとの話の中でこの10億本の植樹や街を走るトラムのことの背景が大体分かった。人口830万人で愛知県の人口より100万人ほど多いだけのオーストリア、環境先進国であることがよくわかった。資源としての水の利用、森林の利用、太陽光技術には最先端の技術があり、電力は原発には一切頼っていないとのことだ。



オーストリアの主力電源は水力がおよそ65%、天然ガス、石炭、石油の火力でおよそ30%、その他がおよそ5%。再生可能エネルギーとして木材が大きな役割を果たしているのが特徴ということだ。首都ウィーンに国際原子力機関IAEA)の本部があるが、原発はない。チェルノブイリ原発事故後、国民投票で決めたそうだ。


環境意識の高い中欧ではいち早く路面電車が復活した。それも、昔のままではなく最新鋭の交通機関として。クルマの町の中心部への乗り入れを規制する代わりに郊外に駐車場を設けてそこから路面電車に乗り換えて都心に向かうというシステムを確立して都市再生と環境対策をクリヤーしているそうだ。


オーストリアの環境対策の先進性はわかったが、それよりクマさん、電力自由化でどんな選択をすることが生活を楽にするか考えることの方が喫緊の課題でないの?