禁じ手


今年が始まりまだひと月だが、新年早々から事件・事故、政界スキャンダル、マイナス金利などという異次元の世界の出来事まで、よくもまぁいろいろと起きたものだ。私ごとでは、先週金曜日名古屋で遊びが過ぎて体調を崩し、土曜日の京都下賀茂神社へ初詣バスツアーを当日のドタキャン。月の区切りだ。気分を入れ替えたい。



相撲で握りこぶしで打つことや頭髪を故意につかむこと。将棋では、二歩 (にふ) 。勝負事でのこれらの反則行為を「禁じ手」という。いま世間を騒がせている甘利大臣のスキャンダル。内容は報道されている通りだ。告発された甘利大臣の方ばかりにニュースが集中しているが、告発した方にも目を向けるべきではないかと思う。




告発をされた甘利大臣の行為は昭和時代の金権政治体質がまだ残っていたのかとあきれるばかりだ。政治家が口利きをして金をもらうなんて「禁じ手」だ。告発した方の週刊誌側も現金を手渡す時も用意周到に記者が録音や撮影をするなんて、こんな露骨なやり方は「禁じ手」といってもいいのではないか。


甘利大臣が秘書のやったことは政治家の監督不行き届き。大臣を辞することは政治家の矜持と会見で語っていた。告発した方の週刊誌も権威ある芥川賞直木賞を主宰する日本を代表する出版社が発行する週刊誌としての矜持があってもよさそうなものだが、あんまりそんな声は聞こえてこない。このスキャンダル、どっちもどっちだ。