建国記念の日に思う


今週の週間天気予報で、水曜日までは冬で木曜日からは春と報じていた。 まさに的中。午後にはうららかな春を感じさせる日となった建国記念の日


建国記念の日といえば、きょう配信されたメルマガが伝えていた。全国の男女1331人に「建国記念の日はなに天皇が即位した日?」と調査を行ったところ、もっとも多かったのが明治天皇で40.4%。以下、その他が28.8%、昭和天皇が20.4%、大正天皇が7.2%、今上(平成)天皇が3.2%と続いた。


設問にも問題ありと思うが、正解の神武天皇はその他に含まれている。いずれにせよ、約7割の人は休日の趣旨を理解しないまま休んでいるということだ。思い起こせば、この祝日ほど国を二分する左翼勢力と右翼勢力に振り回されてきたワケあり休日も珍しい。



戦前は神武天皇が即位された2月11日を日本の建国の日、紀元節として祝っていた。戦後は占領軍の意向で廃止となっていた。その後紀元節を復活させようという動きが高まり「建国記念日」として祝日にする法案が提出されたが、与野党攻防の末、「の」一字を入れる妥協案で「建国記念の日」として1967年から祝日が適用された。      


建国記念の日」が「建国記念日」ではないのは、史実に基づく建国の日とは関係なく、建国されたという事実そのものを記念する日だからだといわれる。自分が最初に出向した金沢の会社ではイデオロギー主体の労働組合で、この日を祝日にすることを認めず、出勤していたことを思い出す。



戦前の昭和15年(1940)は紀元2600年神武天皇即位から2600年目の年で色々なお祝い行事があったそうだ。知人に紀元、二六、紀行、二六子、紀子と名のつく人がいるが、皆昭和15年生まれだ。その祝賀ムードが何となく想像できる。


そうした名前を持った人たちは、歴史の時間に”進歩的”考えの先生から自分の名前が睨まれているようで嫌な思いをしたのではないだろうか?紀元節なんていうものは、架空の人物である「神武天皇」の即位の日としてつくりあげたもので、科学的にも歴史的にも根拠がない。日本を「神の国」として、国民を軍国主義侵略戦争にかりたてるために利用されてきたのだ。と。


高校の社会の先生からクマさんの名前の「紘」は戦前の日本の大東亜共栄圏への侵略思想「八紘一宇」からとったもので、お前の親は日本の侵略戦争に加担していたなどと云われたことがある。それと同じようなことだ。昭和15年生まれのあの名前の人達、毎年「建国記念の日」が来るたびに肩身の狭い思いをしているのではないだろうか。