シャエアリングエコノミー


「春に三日の晴れなし」。きのうから続いた青空もきょうの午後から雲行きがおかしくなり、夕方からは予報通りの雨。彼岸の頃ともなればウォーキング中に働かせる五官のアンテナも忙しくなってきた。目に飛び込む色には、やたらに「黄」が多い。高い木からいえば、ミモザサンシュユ、マンサク、ミツマタだ。野に庭に咲く花ではラッパスイセン、イトスイセン


耳に飛び込む声は、竹やぶのまわりでウグイスが、農道の上空では雲雀がピーチクパーチク、荒れ地を歩けばキジが甲高い声を張り上げて低空飛行。ウチの門の前では別名ニオイスイセンともいうイトスイセンの甘い香りが鼻に飛び込んでくる。農道の路傍、足で踏んづけてわかったのがツクシだ。春まだ浅いこの時期に足元まで五感のアンテナの感度が及ばなかった。


15日の日経電子版からの受け売りだが、大変興味があった。「民泊」が国家戦略特区を設けて東京、大阪の一部でスタートしているように、プロのドライバーではない人が、自家用車と空いている時間を使ってタクシーと同じようなサービスをより安く提供する「ライドシェア」を京丹後市が計画している。


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同市は過疎地で移動手段の確保が切実な問題になっているため、住民や観光客を自家用車で送迎することで事態の打開を図りたいという。このライドシェアを行うのは米国のIT企業ウーバーシステム。車に乗りたい人と乗せたい人を結びつけるスマートフォンのアプリを提供している。乗りたい人がスマートフォンでウーバーのアプリを開くと、画面に地図が出て、近くを走っている車が表示される。マッチングが成立するとタクシーと同じように利用できる。


このライドシェアだとタクシーに比べて料金が3〜4割安いこともあって、サービス開始から6年足らずで世界70か国、370以上の都市に拡大している。ライドシェアは職を奪うということで1月にパリで今月8日には東京でタクシー運転手のデモが行われた。



「民泊」をはじめ「駐車場シェアリングサービス」「ライドシェアー」などを総称してシェアリングエコノミーというそうだ。これは新しい価値と多様な働き方をもたらす可能性があり、安くサービスが利用できるというメリットがある一方コスト競争が激しくなり、労働者の生活に影響が出るおそれもある。


「需要」と「供給」のマッチングでまさに合理性のど真ん中。隠居じいさんにしてみれば、合理的すぎて「遊び」「ゆとり」がない。そんなことに生理的に抵抗を感じる。合理性ばかり追い求め、家に花を飾ることが忘れられているような生活はゴメンだ。