スットン経


予報通りだ。花曇りだったのが、お昼前からしとしと雨。「花散らしの雨」とまで行かない「花におしめり」といったところだろう。きょうも一日じっと我慢の子だ。花見はフォルダーから古い写真を撮り出してリバイバル花見で我慢しよう。


我慢の子をしていると新聞も普段読まないところまで目を通す。今朝の中日新聞カルチャー面に「諏訪哲史のスットン経」というコラム欄が目に留まった。諏訪哲史は会社の同僚の息子で「アサッテの人」で芥川賞を受賞した名古屋出身の作家だ。彼の父は大学院を出て入社した関係で同期入社といっても年上だったので、同僚からは「さん」づけで呼ばれ皆から慕われていた。彼の受賞を知らずして旅立ちしたはずだ。



彼はエッセーで名古屋弁では「テンテケテン」とか「タッタカタ」というような音列が他の地方より多く使われている。例えば、「熱い」よりもっと熱いのは「ちんちん」、最上級の熱さでは「ちんちこちん」。暗い様子を「まっくらけ」灰だらけなら「まっしろけ」というように。


このコラム欄のタイトル「スットン経」、本来の漢字は「素っ頓狂」だが字面とリズム感のよさから決めた。などとくだけた調子のエッセーだ。10年ほど前の芥川賞受賞作「アサッテの人」は本を買って読み始めたが、あまり難解なためギブアップしてしまった。



今読み返したら、最初の1,2ページで放り出してしまうだろう。頭が固くなっているから。自分にはこの「スットン経」くらいのくだけた他愛もないエッセーが適当だろう。

彼の父の思い出をもう少しカキコしたいが、監視の目がうるさいので、この辺でおしまいとしよう。