姥桜(うばさくら)


きのうの夏日が一転早春を思わせるような冷たい強風の日になった。昨夜は熊本で大地震。天気は荒れるは地は激しく動き、天変地異を予感させる。くわばら、くわばら。


この時季、ソメイヨシノは7〜8割方散り終えて葉桜同然、花の咲く期間が長いヤマザクラの系統は名残惜しそうにまだ咲いている。そして八重桜が満開に近い。四つ池の水辺にこの三種が並んで咲いている。赤・青(緑)・白の大三元(麻雀の役満のひとつ)揃い踏みだ。柳の芽吹きとともに若葉の緑が美しい。



「姥桜(うばざくら)」というと、マイナスイメージに受け止められがちだが、果たしてそうだろうか?肉は腐る直前が一番旨味があるといわれる。つまり、充分に熟成した肉がおいしいということだ。その論と同じで、「姥桜」とは盛りの年齢を過ぎても色気があり、美しい女性のこと、つまりいい意味での「熟女」のことを指すのであると思う。


四つ池の水辺に咲くヤマザクラソメイヨシノと比べ寿命も長い上に、花の咲く期間も長い。この池の周囲の人たちは大多数を占めるソメイヨシノが葉桜と化しても、その成熟した色香と風格でいつまでも目の保養をさせてくれるヤマザクラに、どうして「姥桜」などとマイナスイメージを持つ名前を口に出すことができようか。



てなことをカキコしたが、「姥桜」の語源の本当のところはどうだとネットで検索。元々は「彼岸桜」や「染井吉野」の事を意味している。花が早く咲くため、花が咲いている間は葉が出ない事から「葉が無い=歯が無い」ということから、老婆(姥:うば)を意味する言葉になったという。語源はマイナスイメージの「老婆」だが、それが転じてプラスイメージの「熟女」ということだ。


「姥桜」と云われて不快感を表す女性には二種類あるのだ。「姥桜」=歯(葉)無しばあさんと解釈している女性。もう一方は「姥桜」=色気があり、美しい熟女と解釈している女性。後者は賢いからあからさまに喜ぶようなことはしない。怒ってみせるだけだ。「いやよ、いやよも好きなうち」この類だろう。前者にしろ後者にしろ、男は怒られなければならない。


人生70数年やってきても、女性の扱い方は難しい。下2枚の写真のタイトルを「姥桜」にすると色々と誤解曲解を呼ぶから「名残の桜」とした。