神秘な植物のいとなみ


地震の予知とは違って、天気予報は”どんぴしゃ”で当たる。予報通り昼少し前から降り出した。



きのうの藤岡・県緑化センターではいまシャガの群生が見頃だ。うっそうと生い茂る木立の中で薄青がかった白い花が群生している。アヤメ科の花だからアヤメによく似た花の形だ。朝開いて夕方にしぼむそうだ。花をひとつづつ見たら、ごくありふれたアヤメ科の花だが、木立の木漏れ日を浴びながらの群生は見ごたえがある。


「季節の花めぐり」で記憶に残り、記録して置きたいと思った神秘な植物のいとなみ三選。



● ギンリョウソウ(銀竜草
山地の林の中の落葉の中に生える。高さ10〜15cmくらい。地下に短い地下茎と太く絡まりあった根から成る塊があり、花が咲く以外にはその姿は地上では見られない。4-8月ごろに地下から花茎を伸ばし、最大約15cmほどまで伸びる。


植物でありながら光合成しない。そのため花の内側以外は茎も、葉っぱも透けた白色なのである。地下でベニタケの仲間の菌類に寄生し、養分をもらっている。この種の植物を腐生植物というらしい。別名ユウレイタケ


三河茶臼山山麓の面ノ木原生林で見たギンリョウソウは昼でも薄暗い林の中だったが、緑化センターでは林への入り口の路傍だ。自生しているものか疑問に思えてならない。



● ハナイカダ花筏
高さ2mくらいのモチノキの仲間の木。葉の大きさは10cm前後。葉の上に花が咲き実がつくのが特徴。名前の由来は花筏であり、花の載った葉を筏に見立てたものだ。


なぜ葉の上に花が咲くか、そのメカニズムの説明があったが、理解できなかった。




● 虫こぶ
コナラの木の下にリンゴが2個なっている。30cmくらいの高さの木にゴルフボールを一回り小さくした大きさだ。ほんとのところは、虫こぶとのことだ。虫こぶは木の葉にできるものばかりではないらしい。コナラのどんぐりから芽が出たところに蜂が卵を産み付け寄生して来たのだ。


虫こぶは虫たちが労せずして食べ物に不自由のない、最も住み心地の良い住居を意のままに植物に作らせているということだ。蜂に限らず小さな幼虫たちは、植物の葉や芽の内部に卵を産む。卵の状態ではそれほど目立たない虫こぶも、幼虫、さなぎと成長していくうちに大きく膨れ上がり色づいて立派な虫こぶとなる。


葉の虫こぶはウォーキングの途中でもよく見かける。こんな虫こぶを見るのは初めてだ。同行者の誰かが「こんなところに「姫りんごの木がある」と叫んでいたほどだ。