唐辛子にんにく


サンデー毎日でも、週明け月曜の雨は何となく憂鬱だ。大型連休の締めくくりとなるこの週末が薫風薫る好天に恵まれたから余計にそんな感じがする。この季節のウォーキングともなれば、野に畑に咲く花から漂ってくる芳香にめぐりあう機会も増えて来る。色鮮やかなチェリーセイジ、気品のあるスイカズラ。ウォーカーたちは癒される。


NHKラジオの早朝番組「マイあさラジオ」、毎週土曜の6時前に「全国たべものうまいもの」をやっている。先だっての土曜は会津の「唐辛子にんにく」だった。レポーターがスタジオに持ち込んで、その「唐辛子にんにく」を味噌汁に入れたり、焼き肉につけて食べたりしていた。唐辛子とにんにくがペースト状になった旨味を増す調味料のようだ。



会津では家ごとにこの調味料を作って、それぞれ独自の味があるとレポーターが語っていた。今は農協に出荷したり、通販で販売しているとのこと。料理なんかしたことのない自分だが、ここで、ふと思ったのは東アジアの食文化は米を食べる習慣をはじめ調味料にいたるまで、根っこは同じだ。ということだ。


中国のトウバンジャンは唐辛子、ソラマメを原料とし、韓国のコチジャンは唐辛子、もち米麹を原料とした発酵調味料なのだ。以下は6年前の2010年10月に中国桂林にツアーで行き、トウバンジャンを10個も買った(というより買わされた)ときのクマさんの日記の抜粋。


桂林観光のハイライトはなんと言っても自然が造り上げた景観をめぐる川下りであるが、500年以上の歴史をもつ少数民族の古い村を訪ねたのも印象に残る。大墟古鎮(大墟の読み方を忘れた。古鎮は古い村と言う意味)。桂林市内から約1時間、その半分は未舗装の凸凹道。昔ながらの民家が残り、そこに現在も人々が生活をしている。日本で言うなら”妻籠・馬込”と言った感じだ。

 
村に入ると木陰のある広場が唐辛子を出荷するための作業所になっている。50mほど離れた場所で明らかに漢民族とは違う顔をした女性が真剣な顔つきで並んでいる。作業所で仕事をさせてもらうための順番待ちをしているらしい。


唐辛子はトウバンジャンに使う。観光客向けの料理の味は薄口になっており、食卓には必ずトウバンジャンが出ている。それで、辛さ加減を自分の好みにする。チャーハンにトウバンジャンを乗せて食べると実に美味しい。おみやげにトウバンジャンを10個も買った人があるほど、人気がある。